化粧品業界NOW! ☆コスメティック・インダストリー☆
http://cin.livedoor.biz/
化粧品業界の現在の動向や過去の事例の中から、ビジネスの面で興味深いトピックを取り上げてご紹介していくブログです。
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日頃のアクセスへの感謝と一時休止のお知らせ
http://cin.livedoor.biz/archives/50765851.html
いつも「化粧品業界NOW!」をご覧いただきありがとうございます。
今年も多くの方々からのアクセスをいただき本当に感謝しております。
さて、この度、都合により当ブログの更新をしばらくお休みさせていただくこととなりました。定期的にアクセスいただいている読者の方...
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2006-12-31T22:33:29+09:00
いつも「化粧品業界NOW!」をご覧いただきありがとうございます。
今年も多くの方々からのアクセスをいただき本当に感謝しております。
さて、この度、都合により当ブログの更新をしばらくお休みさせていただくこととなりました。定期的にアクセスいただいている読者の方には誠に申し訳なく思います。
再開の時期は未定ですが、その際は是非また訪問いただけますようよろしくお願いいたします。
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大型化粧品店の興隆Vol.5:店内環境ゆえのサービス力
http://cin.livedoor.biz/archives/50753832.html
前回までに、ミュゼ・ド・ポウの品揃えとVMD、更に立地と見てきましたが、もう一点の重要なポイントとしてサービスがあります。
まず広大な店内に並ぶほとんど全ての商品がオープンディスプレイになっており、テスターが設置されています。テスター自体はセルフ化粧品売...
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2006-12-18T23:04:48+09:00
■連載シリーズ
前回までに、ミュゼ・ド・ポウ の品揃えとVMD、更に立地と見てきましたが、もう一点の重要なポイントとしてサービスがあります。
まず広大な店内に並ぶほとんど全ての商品がオープンディスプレイになっており、テスターが設置されています。テスター自体はセルフ化粧品売場ではごく普通ですが、ミュゼ・ド・ポウの場合、スペースが広いので落ち着いて試用することができます。
また、店内に設置された本格的メイクアップスタジオにて、メイクアップアーティストが顧客のスキンケアやメークの相談に応じたり、また同じく店内に設置された大手制度品メーカーのカウンターでは、美容部員が肌状態のチェックやカウンセリングに応じたりしています。 これらは通常、専門店や百貨店で行われているようなレベルのサービスであり、利用者にとってそのようなサービスが近場のセルフ形式の大型店で受けられるのはうれしいところです。更にミュゼ・ド・ポウでは、広い敷地を活かし、店内にパックやマッサージが無料のフェイシャルエステブースやネイルサロンまで完備しています。
同社では、メイクアップスクールの在学生や卒業生をアルバイトで雇用しているようで、そういった人達に経験をつむ場を提供しているという点でもよいと思います。本シリーズではベンチマークとしてセフォラをあげていますが、セフォラ では店内に配置された店員が顧客の求めに応じてメイクの相談などに対応していました。
ミュゼ・ド・ポウのこれら上記のサービスは、立地上、または商品ライン的に同社と競合するGMSやドラッグストアと一線を画する差別化要素になっており、ロイヤルカスタマーの育成にも繋がっていると思います。ただ最近はその競合であるドラッグストアにも変化が見られます。
価格訴求一辺倒の値引き競争で顧客を獲得し化粧品販売チャネルとしての存在感を増してきたドラッグストアですが、自らも利益を確保できない状態に陥る中で、脱価格競争へシフトしつつあります。それには、値引き訴求が難しいNPP(ノープリントプライス)ブランド商品が増えてきていることも影響しています。そこで、価格以外の訴求ポイントとして注目しているのがカウンセリングです。今、大手DSはカウンセリングができる人材の配置に力を入れています。
マツモトキヨシ は、ビューティー専門スタッフを各店に配置する施策を実施、更に同社の設けた試験をクリアした精鋭部隊であるビューティー専門のスーパーバイザーの配置も行っており、後者はすでに10人を越えているそうです。特にPB化粧品を展開する同社は、知名度の低いPB商品の推奨販売のためにもビューティー専門スタッフによる販売力強化は不可欠になっています。 またセイジョー は、元美容部員で即戦力となる専属のビューティーパート20~25人を主力ビューティー特化型店に配属、更に高い専門知識を持ち、美容スタッフへの教育やビューティー特化型店の化粧品売場を統括するビューティーカウンセラー12人をすでに有しているとのことです。
女性らしい店内の雰囲気、そしてゆったりしたスペースでのカウンセリングという意味で、店内環境も含めたサービスとしては、ミュゼ・ド・ポウにまだ軍配があがります。ただしDS各社もカウンセリングに注力してきておりソフト面での競争が激しくなってきていると言えます。
参考文献:
・カメガヤホームページ
・週刊粧業
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05年 化粧品・トイレタリー 企業 世界ランキング 50
http://cin.livedoor.biz/archives/50746423.html
世界の化粧品・トイレタリー企業の05年度総売上高に基づくランキング50です。
1位から5位はそれぞれ売上を伸ばし、前年と順位に変動はありません。とりわけP&Gは各事業部門が順調に売上を伸ばし400億ドルの大台に達しています。また韓国の化粧品大手アモーレ・パシフィッ...
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2006-12-09T15:37:19+09:00
■業界概要
世界の化粧品・トイレタリー企業の05年度総売上高に基づくランキング50です。
1位から5位はそれぞれ売上を伸ばし、前年と順位に変動はありません。とりわけP&G は各事業部門が順調に売上を伸ばし400億ドルの大台に達しています。また韓国の化粧品大手アモーレ・パシフィック とLG ハウスホールド&ヘルスケア は共に売上が10%以上増加しそれぞれ順位を上げています。今回、新たにTOP50に登場したのは、46位の高級アロマオイルを利用したルームフレグランスのヤンキーキャンドル 、そして48位のオランダのトイレタリー企業、ザ・ボルトングループ です。一方、ランキングから消えたのはP&Gによって買収されたジレット と、花王 に買収されたカネボウ化粧品 でした。
単位:億ドル
※米国以外の企業の売上高は当該企業の決算期末の平均為替レートを適用し米ドル換算。
(出所:国際商業 06年11月号、06年12月号より筆者作成)
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来月から中国での販売を再開するSK-II
http://cin.livedoor.biz/archives/50737167.html
中国で安全性に問題があるとの指摘により販売停止中のマックスファクター(神戸市)製化粧品「SK-II」シリーズ、12月初旬から中国での販売が再開されます。P&Gの中国現地法人の宝潔によると、販売再開当初は小売店を限定してスタートし、徐々に消費者の信用を勝ち得ていきた...
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2006-11-29T22:32:09+09:00
■業界ニュース
中国で安全性に問題があるとの指摘により販売停止中のマックスファクター (神戸市)製化粧品「SK-II」シリーズ、12月初旬から中国での販売が再開されます。P&Gの中国現地法人の宝潔によると、販売再開当初は小売店を限定してスタートし、徐々に消費者の信用を勝ち得ていきたいとのこと。もともと10月には中国当局が「健康へのリスクは少ない」との声明を発表したため11月1日にも販売再開の予定だったのが、市場の反応が厳しいことから見送っていました。
9月14日に新華社が、「中国の品質管理当局がSK-IIの乳液やクリームなど9品目から化粧品では使用が禁じられているクロムとネオジムを検出した」と報じたことが発端となった今回の騒動、日本政府による食品の残留農薬に関する規制強化への対抗措置ではという見方から、当初は中国当局による日本製品への意図的な検査強化の現れのようにも思われましたが、次第に親会社の米P&Gの中国法人にも影響が及び、上海の同社事務所のドアが壊される事件も発生したとのこと。単純な日本製品への反発では終わらなかったようです。
さて、販売開始に向けて動き出した「SK-II」ですが、騒動以前の状態回復には時間がかかりそうです。SK-IIブランドの化粧品の安全性が中国で確認された後に、新民網が行ったネット調査では「もう買わない」と答えた人が全体の30%を超えており、それは既存「SK-II」ユーザーの中のみで見ると、約半数に達しています。(下図参照)■SK−IIブランドの化粧品の販売が再開されたら、今後も購入するか N=159
これには、販売停止中の店頭の状況も影響していると思われます。通常「SK-II」は専用のカウンターやコーナーで販売されていますが、販売停止中もカウンターやコーナーは店内にそのまま設置されており、商品だけが空という状態になっているところが多いようです。例えば、上海のセフォラでもSK-IIの空の専用什器が置かれており、什器中央に「お客様の利益を守るため、当店ではSK-IIの販売を停止しています」といった内容の張り紙がされています。(写真)
これは非常に具合が悪く、日々、セフォラを訪れる客ひとりひとりに改めてSK-IIは有害だと印象づけているようなものです。販売再開に備え、販売スペースを確保しておく必要があるのもわかりますが、むしろ販売停止中はブランドが消費者の目に触れない方策をとった方が良かったのではないかと思います。
ただ、SK-IIといえば看板商品の化粧水をブランド誕生から25年以上の間、ほとんど仕様を変えず、ロイヤスカスタマーを維持する戦略をとっていることが特徴のひとつであるブランド。上記でふれたネット調査でも、他社へのスイッチ意向が既存「SK-II」ユーザーの約半数あった一方、逆に言えば「今後も買い続ける」と答えているかたいロイヤルカスタマーが約半数を占めているとも言え、この状況下におけるその比率はむしろ高いと言えます。よってそのかたい支持を維持するためにも、まずは、離れた顧客を追うよりもロイヤルカスタマーへのフォロー、サービスが販売再開における最優先事項となるのではないでしょうか。
<出所>
P&G中国「宝潔」ホームページ
Livedoor NEWS
その他、独自取材資料
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ヒロインメイク 星降る瞳で心をつかむ
http://cin.livedoor.biz/archives/50722632.html
化粧品の訴求には女性の感性に訴えかける情緒的な要素と、商品の品質を謳う機能的な要素の2つのバランスが求められます。一般的に高級化粧品になるほど、情緒的な部分の比率が高くなると言われていますが、低価格のセルフの市場でも、情緒的要素のマーケティングが成功の...
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2006-11-18T16:45:04+09:00
■業界ニュース
化粧品の訴求には女性の感性に訴えかける情緒的な要素と、商品の品質を謳う機能的な要素の2つのバランスが求められます。一般的に高級化粧品になるほど、情緒的な部分の比率が高くなると言われていますが、低価格のセルフの市場でも、情緒的要素のマーケティングが成功のきっかけとなったケースはあります。
記憶に新しいところでは03年に発売された資生堂の「マジョリカ・マジョルカ」 。「魔法のような即変身コスメ」というコンセプトに基づく情緒的ストーリーを、商品デザイン、パッケージ、販売台そして広告などに徹底して貫き、それに共感するターゲット層をとらえ大ヒットしました。そして最近、新たな成功例として注目されているのが、05年2月に発売された伊勢半の「ヒロインメイク」 です。
「ヒロインメイク」といえば、ユーザーではない女性でもGMSやドラッグストアの化粧品売場で一度は目にした記憶があるでしょう。ヒット商品のロング&カールマスカラ
ピンクの地色にまるで少女マンガから飛び出したような女の子の顔が大きく描かれ、「天まで届け!マスカラ」と大きくコピーが書かれたそのパッケージは、強烈と言っていいほどのインパクトがあります。 商品開発の過程で綿密な調査に基づく消費者の声を活用したそうですが、それでこのようなトゲのあるデサインやコピーを策定できたのはむしろ意外と言えます。
発売直後から関心を持った女性達のクチコミが@コスメ に書き込まれはじめ、7点満点で6点近い高い評価をいきなり獲得します。その後、ユーザー層の拡大に合わせてクチコミが自然発生的に増加、結果、ヒロインメイクのロング&カールマスカラは2005年@コスメ ベストコスメ大賞を受賞します。
口コミの内容から見えるヒットの要因のポイントは、あえてターゲットを絞ってトゲのある世界観で勝負したこと と、低価格ながら効果を実感できる商品力 の2点だと思われます。 「思わずパケ買い!!」「ベルバラ的な外観に一瞬にして心を奪われての購入」「ずっと前、初めて見たとき一目惚れ♪ジャケや、宣伝文句(?)でさらに惚れ♪」「ヴィジュアルショック!!」など、なるほどこのパッケージの威力はすごいですが、こんなパッケージでは恥ずかしいという女性もいるはずです。ただそこで万人ウケを意識したらあの世界観は実現しなかったでしょう。
また一方で、「睫毛がバチコーンっと上を向きます」「1日中持続!」「パンダにならない」など、このマスカラはカール力やキープ力、そしてにじみにくさといった商品力の点でも高い評価を得ています。つまり冒頭の情緒的要素と機能的要素の両方が強いため、好循環でクチコミが増加、ユーザーの裾野拡大に繋がったと思われます。この点は、マジョリカ・マジョルカのヒット商品、オートマティックライナーのケースと非常によく似ています。
06年2月には、「落ちにくい」というマスカラのネガティブな口コミ評価に対応してリムーバーを発売、現在は、アイメイク6アイテムとベースメイク3アイテムのラインナップを展開。いずれも、パッケージはあのインパクトのある共通の世界観を表しています。マスカラのセルフ市場は、イミュ のデジャヴュ ファイバ-ウィッグという不動の人気商品があり、また、もとよりメイベリン が強く、更にマックスファクター 、資生堂 など制度品メーカーも攻勢をかけています。その競合ひしめく市場で上位にくい込んでいるヒロインメイク、強力な情緒的要素で既存の人気商品との差別化に成功した好例と言えます。
※06年10月 日経POS情報 マスカラカテゴリーの販売個数ランキングではヒロインメイクのロング&カールマスカラは、イミュ、メイベリン、マックスファクター、マジョリカ マジョルカの商品群に続いて8位にランクされています。
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ブランドイメージ流動化を図るエスティローダー
http://cin.livedoor.biz/archives/50713123.html
毎年、この季節になるとデパートではだんだんとクリスマス用のデコレーションが始まってきます。特に化粧品はいち早く各社からクリスマスコフレや限定カラーが発売されるなど、先行して雰囲気を盛り上げています。その中にあって、例年、セットのボリュームの多さが話題に...
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2006-11-05T17:47:12+09:00
■業界ニュース
毎年、この季節になるとデパートではだんだんとクリスマス用のデコレーションが始まってきます。特に化粧品はいち早く各社からクリスマスコフレや限定カラーが発売されるなど、先行して雰囲気を盛り上げています。その中にあって、例年、セットのボリュームの多さが話題になるエスティローダー 。今年のセット、メークアップ コレクション2006(10/27発売)も期待通りの中身の多さで、早い勢いで完売したようです。
今年のセットは人気色のリップ301、303をはじめ、アイシャドウやパウダーもベーシックで使える色がほとんどで、かなりお得感が高かったよう。ただ付属のトレインケースは賛否両論、ポーチやブラシは不評のようですが、トータルでは満足という方が多かったのではないでしょうか。また今回は、オスカー女優のグウィネス・パルトロウを広告に起用した華々しいPR効果が特に新客取り込みに寄与しているかもしれません。
エスティローダーの広告の女性といえば、ミューズとして長く同じ女性が努める印象がありますが、最近は主にエリザベス・ハーリーとキャロリン・マーフィーの露出が多く、2人のイメージが顧客には定着しているのではないでしょうか。
エスティローダーが広告にはじめてモデルを起用したのは1962年。同社が初めて大手広告代理店(AC&Rエージェンシー)を使ったキャンペーンに乗り出した頃からです。当時すでに競合他社は自社広告に多くのモデルを使っていましたが、エスティは1人の女性に自社商品を体現させることに決め、「エスティローダーの女性」のシンボルになるようなモデルを探します。これが同ブランド独特のミューズの制度の始まりであり、‘62年から20世紀末までに、エスティローダーは7人のモデルを起用し、彼女達のほとんどは少なくとも5年間は、ブランドを代表する顔、ミューズを努めています。
初期のミューズはフォーマルで正装したときのようなエレガンスがあったのが、消費者の意識や優先順位の変化に合わせて、もっとリラックスした美しさを持つ顔が主流になり、昔より社会的なステータスを感じさせない顔が選ばれるようになっているとのこと。そういう傾向からすると、グウィネス・パルトロウの起用は合っているように思います。一方で、最近は同時期に複数のモデルを平行して起用するようになってきており、その点でも初期の考え方から変化してきています。消費者の変化のスピードに合わせ、特定の顔に依存しないブランドイメージ作りを目指しているようです。
■エスティローダーの主な起用モデル
62年 Phyllis Connor
65年 Karen Harris
70年 Karen Graham
85年 Willow Bay
88年 Paulina Porizkova
95年 Elizabeth Hurley
01年 Carolyn Murphy
03年 Liya Kebede
05年 Gwyneth Paltrow
06年 Anja Rubik
<参考資料>
ザ・ブランド―世紀を越えた起業家たちのブランド戦略
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花王・カネボウ統合Vol.8:変わる花王の百貨店売場
http://cin.livedoor.biz/archives/50701297.html
花王のカネボウ統合において、花王がカネボウに求めた大きなものはカネボウのブランドに人々が抱くリッチで華やかなイメージであろうと前章にて述べましたが、その統合の効果の表れか、百貨店の花王コーナーが変わってきています。
花王の化粧品といえば「花王ソフィー...
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2006-10-24T23:43:41+09:00
■連載シリーズ
花王のカネボウ統合において、花王がカネボウに求めた大きなものはカネボウのブランドに人々が抱くリッチで華やかなイメージであろうと前章にて述べましたが、その統合の効果の表れか、百貨店の花王コーナーが変わってきています。
花王の化粧品といえば「花王ソフィーナ」 がブランドであり、百貨店のコーナーも長年ソフィーナのエメラルド色を背景としたブランドロゴを冠した造りになっていました。そしてそこでは、花王の百貨店専門化粧品である「est(エスト)」 の他にも「AUBE」 や「VERY VERY」 など他チャネルでも販売しているソフィーナ商品が販売されていました。そのため、百貨店にあっても花王のコーナーはあくまでソフィーナのコーナーであり、周りの高級ブランドと比較して大衆寄りの印象が拭えませんでした。
ところが、今年、百貨店の改装や化粧品フロアの売場移動など様様なタイミングにおいて、百貨店の化粧品フロアから「ソフィーナ」のコーナーが消え、代わって「エスト」単独のコーナー(エストサイエンスプラザ)が次々と誕生しています。「ソフィーナ」は主力チャネルである量販店、ドラッグストアに特化し、百貨店での販売は「エスト」へ一本化する動きが進んでいます。「エスト」のブランドカラーで統一されたコーナーは従来の「花王ソフィーナ」のコーナーに比べ、高級感が格段にアップし、上質な雰囲気を漂わせています。
そして、今年9月の「クリームメイクアップリフトインプレッション」 の発売が、その傾向に拍車をかけました。この商品は肌の表面に「光の等高線」をつくりだすというコンセプトのファンデーションですが、その容器がとてもきらびやかで、エストブランドの象徴であるダイアモンドと、上記の光の等高線を表現したような形になっています。9月2日の発売日以降、「クリームメイクアップリフトインプレッション」のビジュアルが全面に出された「エスト」のコーナーは実に美しくなり、花王の百貨店コーナーがこの1年で明らかに変わったことを印象づけています。
また、エストサイエンスプラザは化粧品メーカーとして初めて、旭硝子 製の高機能・高級ガラス「クラリティア」及びミラー「サンミラー リアリティア」を標準採用しているとのこと。旭硝子によると、エストブランドの象徴であるダイアモンドの持つ高透過感を「クラリティア」が表現し、顧客の肌の状態及び色を的確に判断し、最良の商品を提供するという消費者視点に立った花王の売場づくりの実現を「サンミラー リアリティア」が可能にしているとうこと。きらびやかな売場の演出にはこのような細部に仕掛があるということです。
本格的な高級ブランドコミュニケーションを開始した「エスト」、もはや従来の花王のイメージはないといってもいいでしょう。
参考資料:旭硝子プレスリリース
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有楽町西武 「ビューティー館」 で差別化路線歩む
http://cin.livedoor.biz/archives/50692853.html
9月9日、全館リニューアルオープンした有楽町西武、オープン初日の来店客数は45,000人、売上も目標の2倍を記録したと報道されていましたが、その後の立ち上がりも好調で、全体の入店客数は改装前の約135%ということです。以前は午後6時以降に1日の売上の6割を稼いで...
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2006-10-16T21:54:18+09:00
■業界ニュース
9月9日、全館リニューアルオープンした有楽町西武 、オープン初日の来店客数は45,000人、売上も目標の2倍を記録したと報道されていましたが、その後の立ち上がりも好調で、全体の入店客数は改装前の約135%ということです。 以前は午後6時以降に1日の売上の6割を稼いでいたのが、ビューティー館ができたことにより午後3時、4時に来店するミセスの客層が増加、来店数で「ふたこぶ」的な動きが出てきているとのことです。
そのビューティー館とは、有楽町西武のB館が生まれ変わったビルで、地下2階がエステ、地下1階に自然派化粧品、1階はメイクアップ、2階にスキンケアなど、それぞれに特化した商品展開をしている世界初の美容特化型百貨店です。9月26日放送の「ガイアの夜明け」 で紹介されましたが、各化粧品メーカーが独自に運営するブランドのコーナー以外に、西武の自主編集売場を設けているのが特徴 で、そこでは41ブランド・480種類の品揃えを行い、ブランドの枠にとらわれない商品の提案を行っています。また、日本発上陸の南仏系香りのブランド、「テールドック」 が出店されたことも目玉です。
番組で紹介された上記の点とは別に、ビューティー館において目を引く点が2点あります。
1つめは「リサージ」 がコーナー展開していることです。「リサージ」は現カネボウ化粧品社長の知識賢治氏が育てたとされるカネボウの専門店専用ブランドで、百貨店への出店は初。もともとカネボウは、専門店チャネルや量販チャネルに比べて百貨店が弱いとされていましたが、「RMK」 「SUQQU」 の成功に続き、最近では「ルナソル」 の存在感が増しつつあります。 そこへ専門店チャネルで実績のある「リサージ」を加えることで、カネボウグループとしての百貨店ブランドのポートフォリオに厚みが出るのは間違いありませんが、今後、仮に百貨店で本格展開してくとなると、専門店との住み分けをどうしていくのかが、課題になると思います。
2つめは、「インナーシグナル」 のコーナーが入っていることです。「インナーシグナル」は肌細胞力の活性化をコンセプトとした大塚製薬のスキンケア化粧品です。大手製薬会社の化粧品分野へ本格参入が相次いでいますが、大塚製薬の「インナーシグナル」は、製薬会社が作る化粧品ブランドとしては百貨店チャネルに最も食い込んでいるブランドではないでしょうか。以前より出店している三越本店 では1万円の美容液が月100個以上売れており、美容意識の高い顧客を着実に取りこんでいるようです。
そして、この10月10日(火)~16日(月)の間、有楽町西武ファッション館1階 プロモーションスペースにて、「インナーシグナル」と同じく製薬会社の作るスキンケアの競合「オバジ」(ロート製薬) の2ブランドが並んでブースを構え、肌診断と販売を行うイベントを実施しました。 百貨店入口のイベントスペースといえば、外資系高級ブランドのイベントというイメージがありますが、製薬会社のブランドが大々的に取り扱われることからも、有楽町西武の差別化路線が表れていると言えそうです。
ただ、同時にビューティー館の自主編集売場にも「オバジ」が置かれたことは、売場のコンセプトを中途半端にしています。ここは他の百貨店ではあまり置かれていない商品が揃っていることが魅力のひとつではあるはずですが、量販店で売られている「オバジ」が並ぶことで、西武としての個性が薄くなってしまった気がします。
<参考文献>
日経消費マイニング 2006.10
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大型化粧品店の興隆Vol.4:立地ゆえの競合優位性
http://cin.livedoor.biz/archives/50684330.html
シリーズVol.4は立地についてです。立地は、セフォラとミュゼ・ド・ポウの明暗を分けた大きな要素のひとつだと言えます。
セフォラは、出店地選びにおいて、欧米での考え方を踏襲し、都心の一等地に的を絞りました。旗艦店を銀座に置き、渋谷、新宿、心斎橋と日本を代表す...
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2006-10-09T10:01:02+09:00
■連載シリーズ
シリーズVol.4は立地についてです。立地は、セフォラ とミュゼ・ド・ポウ の明暗を分けた大きな要素のひとつだと言えます。
セフォラは、出店地選びにおいて、欧米での考え方を踏襲し、都心の一等地に的を絞りました。旗艦店を銀座に置き、渋谷、新宿、心斎橋と日本を代表する大都市の中心に出店します。周辺地区からあらゆる人が集まるこれらの都市部はブランド発信地として申し分のない場所と言えますが、一方でこれらの地域は大手百貨店やドラッグストアが密集し、更にバラエティーショップなど大小様々なコスメショップが乱立する化粧品激戦区でもあります。 とくに、仏発の華やかな高級イメージを打ち出していたセフォラにとって、同様に高級感と華やかさを売りとする大手百貨店の化粧品売場と至近距離で競合するのは、高級ラインの品揃えで百貨店に劣るセフォラには分が悪かったと言えます。
一方、ミュゼ・ド・ポウは、神奈川県に集中して店舗展開していますが、神奈川県の中でも横浜駅や川崎駅、桜木町周辺の都市部を外し、郊外に出店しています。具体的には、旗艦店を新横浜に置き、他は日吉、青葉台、海老名などです。これらのエリアのショッピング施設は、ファミリー向けのSCが中心で、化粧品売場は主にGMSの化粧品売場やドラッグストア、地場の薬局などになります。そのような環境にあって、本シリーズVol.3でふれたとおり、独自のVMDにこだわったミュゼ・ド・ポウの店舗は、その高級すぎることなく、ほどよくお洒落で洗練された空間により、周辺の競合する業態と大きく差別化されており、地元でも都心にあるような雰囲気のお店で化粧品を選んだり買ったりすることを楽しみたいOLや学生、若い主婦層のニーズ捉えていると思われます。
そしてもうひとつ、Vol.1でふれたとおり、ミュゼ・ド・ポウは国産制度品メーカーの化粧品専門店専用ブランドを扱っていますが、ベネフィーク やトワニー 、リサージ 、アルビオン といった主要ブランドの取扱店情報(メーカーWEBサイト参照)によると、ミュゼ・ド・ポウの展開地域における、これらのブランドの取扱店は同店以外には、青葉台で1店あるかないかで、近隣にほぼ競合が無い状況になっています。
こういった競合優位性は、多様な業態がひしめく都市部ではなく、郊外にあるからこそ実現できていると考えられます。また、少し違う視点になりますが、ミュゼ・ド・ポウと姉妹店のフィットケア・デポは同じ地域にドミナント出店を行い、物流・オペレーションの効率化を図っている点もふれておくべきポイントと言えるでしょう。
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長い低迷から抜け出した外資の雄 クリニーク
http://cin.livedoor.biz/archives/50675158.html
日本の百貨店化粧品市場において10年近くの間、売上減少が続いてきた「クリニーク」ですが、ここへきて復活のきざしが見えてきています。04年、05年と減少幅が小さくなり、06年に入ってからは横ばい状況からプラスに反転。国際商業によるデータを集計すると、全国の有力百貨...
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2006-10-01T17:44:47+09:00
■業界ニュース
日本の百貨店化粧品市場において10年近くの間、売上減少が続いてきた「クリニーク」 ですが、ここへきて復活のきざしが見えてきています。04年、05年と減少幅が小さくなり、06年に入ってからは横ばい状況からプラスに反転。国際商業によるデータを集計すると、全国の有力百貨店13店※の今年上半期の「クリニーク」の販売金額は、前年対比103%となっています。
「クリニーク」といえば、かつては常に百貨店の化粧品フロアで売上トップにあった輝かしい歴史がありますが、その誕生当時は決して順風満帆だったわけではないようです。
エスティローダーが米国で「クリニーク」を発表したのは、今から38年前の1968年。基幹ブランド「エスティローダー」 のターゲットより若く、また自分の肌の状態に関心のある女性をターゲットとし、医学的に安全で、最先端の化粧品として売り出されました。販売員が白衣を着て、客の肌診断を行いスキンケアの方法を提案するスタイルは既に当時から始まっています。
「クリニーク」を独自のブランドとして育てるために、あえて知名度のある「エスティローダー」の売場とは離れた場所で展開したことあり、当初は売上が上がらず、「クリニーク」は数年にわたって損失を出し続けました。しかし同社は損失を被りながらも更に積極投資を続け、ブランド育成の努力を続けます。その結果、70年代半ばから売上が急増、80年代始めにはフォーブス誌 が「クリニーク」を高級スキンケア化粧品市場の”walkaway winner”(楽勝プレーヤー)と賞賛、その後、同ブランドは全盛期を迎えることになります。
このように、粘り強い努力によって事業を成功させたわけですが、それができたのは同社が非公開の企業であり、短期の結果を求められる資本市場からの圧力が少なかったからだと経営陣は振り返っています。
そして、現在の日本において、過去約10年という長い低迷から抜け出してきた「クリニーク」ですが、その背景には次のような改革があったようです。
第一に、クリニークコンサルタント(BA)の評価を購買客数ではなく接客数で計ることに変更し、売上よりも、まずは1人でも多くの人にクリニークを知ってもらうことに重点を置いた接客を展開したこと。第二として、それまで商品写真のみだった広告ビジュアルに創業以降初めて女性モデルを起用、雑誌やリーフ、店頭VMDに大々的にビジュアル展開することで、エイジングしたブランドイメージの若返りを図ったこと。そして、第三に、販売員(BA)の制服を白を基調としながらも、従来の白衣とは異なる独自のスタイルに変えたこと。それにより顧客へ与える印象が和らぎました。
以上に加え、日々の販売努力など様々な要素があると思いますが、少なくともそれらの相乗効果により、クリニークのコーナーには賑わいが戻っており、スキンケアや美白ラインの売上の底上げに繋がっていると思われます。また昨年発売のマスカラは、その広告ビジュアルがやや度が過ぎている感もありましたが、商品力があり高い人気を維持しています。今後「クリニーク」が本格回復基調に乗っていくには、新しい世代の顧客をより多く獲得していくことが必要だと思います。
※文中の全国の有力百貨店13店:
新宿伊勢丹、梅田阪急、札幌大丸、新宿高島屋、新宿京王
日本橋三越、日本橋高島屋、銀座松屋、横浜高島屋、名古屋松坂屋、
京都大丸、大阪高島屋、心斎橋大丸、神戸大丸、福岡岩田屋
■クリニーク 06年7月 百貨店10店舗 売れ筋ランキング
<出典・参考資料>
国際商業
ザ・ブランド―世紀を越えた起業家たちのブランド戦略
HBSケース
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コーセー 中国で百貨店への出店を加速
http://cin.livedoor.biz/archives/50668118.html
このところ新聞等で日本の大手化粧品メーカーの中国における出店加速の記事が相次いで掲載されています。資生堂が専門店を今年末までに1,700店に増加させ、08年には売上で1,000億、シェア10%を目指すのをはじめ、カネボウ化粧品は、出店百貨店を09年までに現在の2.5倍の500...
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2006-09-24T19:36:00+09:00
■業界ニュース
このところ新聞等で日本の大手化粧品メーカーの中国における出店加速の記事が相次いで掲載されています。資生堂 が専門店を今年末までに1,700店に増加させ、08年には売上で1,000億、シェア10%を目指すのをはじめ、カネボウ化粧品 は、出店百貨店を09年までに現在の2.5倍の500店、高級薬局を同30倍の1,000店に増やし、売上を現在の10倍の200億にするとのこと。そして、コーセー も中国で百貨店への出店を加速しています。
NIKKEI NET 中国ビジネス特集によると、(以下引用要約)コーセーは中国での現在の百貨店の出店数120店を2007年までに200店に増やし、更に2008年には250店まで伸ばしたいとのこと。これまで主体だった現地生産ブランド「AVENIR(アブニール)」よりも最高級ブランド「ボーテ ド コーセー」 の比率を増やしていく一方、上海や北京など沿岸部の高級百貨店だけではなく、地方の百貨店にも出店を進めていくとしています。
コーセーの中国事業全体の売り上げは約60億円。このうち問屋を経由する大衆向け商品の売り上げが全体の約55%、百貨店で直販する高級ブランドの売り上げが約45%であり、今後は百貨店の比率を引き上げていく計画。中国で高価格帯の市場が育ってくるなか、大衆化粧品で早くから地位を築いてきたコーセーは、高級品投入において少し出遅れた感があるとのこと。
ただ、欧米の外資系企業のように、大々的に広告を打つことはぜず、百貨店の美容部員と顧客とのコミュニケーションを地道に重ねて、商品を市場に根付かせていくことを基本としています。そのためにも美容部員の教育に重点を置いており、春から日本の美容統括責任者を中国に駐在させ、現在、800人の美容部員を教育しています。
また、上海の伊勢丹 に化粧品を試せるコーナー「ビューティーセンター」を6月末に開設。その場では化粧品を販売せず、商品に触れてもらう機会を提供しています。同時にその場で化粧品の使い方を指導するスタッフの養成も進めていきたいということ。
現在のところ、新たに中国向けに高級ブランドの製品を開発する考えはコストの面から考えておらず、今後は高級ブランドとして「ボーテ ド コーセー」を中核に据え、市場に押し出していきたいとしています。(以上引用)
「ボーテ ド コーセー」の知名度向上が目下の目標というところでしょうか。ただ「コスメ・デコルテ」 ではなく「ボーテ ド コーセー」を最高級ブランドとして売り出していく戦略、、中国の消費者には「コスメ・デコルテ」では価格帯がまだ高いということなのかは分かりません。もしくは美容部員のレベルが上がってきた時点での投入を計画しているのかもしれません。
出典:NIKKEI NET 中国ビジネス特集 9/6
http://www.nikkei.co.jp/china/
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大型化粧品店の興隆Vol.3:洗練された空間の演出
http://cin.livedoor.biz/archives/50659319.html
「ミュゼ・ド・ポウ」の旗艦店、新横浜ペペ店。売場面積は600㎡以上、かつ1フロア構成というその広さを最大限活かしているのが、独自のVMDです。
什器は自社設計で棚の板自体に螢光灯を組み込み、ライトアップを施して商品を美しく見せる工夫がされています。また全ての什...
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2006-09-18T19:32:38+09:00
■連載シリーズ
「ミュゼ・ド・ポウ」 の旗艦店、新横浜ペペ店。売場面積は600㎡以上、かつ1フロア構成というその広さを最大限活かしているのが、独自のVMDです。
什器は自社設計で棚の板自体に螢光灯を組み込み、ライトアップを施して商品を美しく見せる工夫がされています。また全ての什器が低めに設計され、客が店内を端から端まで見通せるようにし、誰が見ても何がどこにあるのか一目瞭然にわかるようになっています。そして什器のフレームはすべて同一で、メーカー別のコーナー仕様も、基本フレームの中だけを自由に変える事がでる設計になっているとのこと。まさに環境統一された明るく整然とした店内空間が演出されています。
一方、「セフォラ」 は旗艦店の銀座店を例に取ると売場面積は610㎡と、ミュゼ・ド・ポウに劣らず巨大店舗でした。しかし3フロア構成になっていたため、店内に入った際に広いという印象はそれほどありません。ミュゼ・ド・ポウとは対照的に外装、内装とも黒が基調、そして深紅のカーペット。取扱商品の価格帯や高級感という点が違いますが、今の韓国のコスメティック店「TODACOSA」 が少し雰囲気は似ています。そしてセフォラも、と言いますかセフォラこそVMDにおいては特徴的な趣向をこらしていました。
銀座旗艦店の1階入口近くにて、真赤の円形什器に香水の小ボトルを500個以上ディスプレイして作製した「グレグランス・オルガン」や、2階メイクアップフロアにて、365色のリップスティックを虹のようにディスプレイして展開した「セフォラ・リップスティックコーナー」は陳列に魅せる要素を取り入れた試みでした。しかし、最も客の出入りが多い1階のフロアを日本での需要が少ないフレグランスで敷き詰めたり、逆に日本市場で最も売上が多いスキンケアを一番遠い3階に配置したりと、日本女性の消費性向とのミスマッチが生じていたようです。
一方で前述のミュゼ・ド・ポウの白を基調に環境統一された世界と、とてもよく似た雰囲気を持つ業態があります。(株)ヌーヴ・エイ が展開する「Cosmetic Navi by ROSEMARY」(以下 コスメティックナビ)です。 コスメティックナビは、もともと同社が展開しているコスメティックストア「ROSEMARY」のメガストア版とも言える業態で、セルフからカウンセリング化粧品をはじめ、フレグランス、ヘアケア、ボディケア、サプリメントなど約20,000アイテムの品揃えを誇るという、SKUではミュゼ・ド・ポウに負けず劣らずの大型化粧品店です。ミュゼ・ド・ポウと同じ99年に千葉パルコ に第1号をオープンしており、現在は日比谷シャンテ と仙台の超大型ショピングセンター、ザ・モール仙台長町 にも出店しています。
ミュゼ・ド・ポウとコスメティックナビに共通しているのは、白く明るくすっきりとしたインテリアが、量販店やドラッグストアのように大衆的にならず、ほどよくお洒落で洗練された空間を演出している点で、これが他業態と差別化されている大きなポイントのひとつだと思います。
参考文献:
・化粧品業界 知りたいことがスグわかる!! 2001年版
・カメガヤWEBサイト
・ヌーヴ・エイWEBサイト
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MISSHA (ミシャ) 加速する日本での店舗展開
http://cin.livedoor.biz/archives/50652307.html
当ブログ9月3日の記事にてMISSHA(ミシャ)のブランドイメージ再編についてふれましたが、ミシャは昨年ネット通販で初めて日本に進出し、今年7月にオープンした大阪直営店を含め、現在、仙台、名古屋に計10の店舗を運営しています。
エイブルC&Cは日本での直営第1号店の...
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2006-09-12T23:49:19+09:00
■業界ニュース
当ブログ9月3日の記事にてMISSHA(ミシャ)のブランドイメージ再編についてふれましたが、ミシャは昨年ネット通販で初めて日本に進出し、今年7月にオープンした大阪直営店を含め、現在、仙台、名古屋に計10の店舗を運営しています。
エイブルC&C は日本での直営第1号店のオープンを皮切りに、現地のエージェンシーを通すのではなく、子会社「MISSHA JAPAN」の主導のもとで市場攻略に乗り出し、年内に東京や九州にも計10の直営店をオープンする計画だとのこと。
仙台と名古屋の店舗を見ると、ソウルの店舗と同じく赤と白のイメージカラーで外装、内装とも統一されています。そして、店舗の前には、ネイル190円、ヨーグルトパック220円など低価格をアピールする看板が置かれ、「安くてかわいいものがいっぱい」「試すだけでもOK、気軽に店内」と謳っています。
仙台の店舗はクリスロード店と一番町店の2店とも商店街のアーケード内にありますが、一番町店の方は広く外観も良いことから、MISSHA(ミシャ)のブランド発信店としていい効果があるのではないでしょうか。 また名古屋、栄の地下街セントラルパークの店舗は、同様に広さもあるうえ、地下街に人通りが多い名古屋の特性も手伝い、お客の店内への誘導が良いようです。一方、名古屋の矢場町店はパルコの裏通りにあり、美容院や洋服店の並びとはいえ、立地はあまり良いとはいえません。
名古屋の老舗百貨店丸栄の3Fにも店舗があります。実は、この丸栄の2階、3階は近年様変わりし、渋谷の109(マルキュー)のような店舗展開になっています。そのためフロアの客層の中心はかなり年齢が若く、ややかたよった層に限定されています。そんな中、周囲を個性の強いテナントに囲まれながらも、ミシャの店舗はそれらに負けないインパクトを発しています。
どの店も、ソウルの店に比べまだアイテム数が少ないことから、店内の陳列はやや整然としています。ただ、韓国で発売されているプレミアライン「M」が、チャンドンゴンのビジュアルによるPOPや、店内のテレビモニターに流れる韓国版テレビCMによりPRされており、11月頃には商品も日本に導入されるとのこと。今後は揃えも充実していくようです。
ところで、エイブルC&Cはミシャの花柄マーク使用をめぐって、日本のマリークワントコスメティックスジャパン が起こした商標権訴訟にこのほど敗訴したとのこと。ソウル南部地裁の判決によって、ミシャは該当商標の商品パッケージや広告などへの使用、商標を使用した商品の販売・譲渡、商標のインターネットサイト上の表示などが禁じられ、直営店などにある物品に表示された商標も廃棄しなければなりません。ミシャにとっては非常に厳しい内容ですが、両社の花柄マーク、言われてみれば確かに形は同じですね。
参考資料:Yahoo News
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クレ・ド・ポー・ボーテ 広告ビジュアルの贅沢な背景
http://cin.livedoor.biz/archives/50650590.html
資生堂の百貨店・プレステージブランド「クレ・ド・ポー・ボーテ」。流通チャネルを限定し、顧客の関係性を深める「顧客接点深耕ブランド」として位置づけられています。市場シェアより私情シェアを取る。つまり面としての市場をとっていくのではなく、ひとりのお客のマイ...
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2006-09-09T17:28:25+09:00
■業界ニュース
資生堂の百貨店・プレステージブランド「クレ・ド・ポー・ボーテ」 。流通チャネルを限定し、顧客の関係性を深める「顧客接点深耕ブランド」として位置づけられています。市場シェアより私情シェアを取る。つまり面としての市場をとっていくのではなく、ひとりのお客のマインドシェアをとっていくことを「クレ・ド・ポー・ボーテ」は重視。その蓄積により、結果的には幅広い年齢層から国産の最高級化粧品ブランドとして認知され、支持されています。
クレ・ド・ポー・ボーテの広告は、テレビなどマスより雑誌などを使う展開を行っていますが、最近出版された「ブランドのデザイン」 によると、その広告のビジュアルには随分贅沢な仕掛けがあるようです。
「クレ・ド・ポー・ボーテ」の広告のビジュアル自体は、モデルの上半身を映し出したものがメインですが、資生堂事業企画部長の平田賢一氏によると、「広告で使うビジュアルは、セットではなく実際に世界中に赴いて撮影をし、その時代のインパクトや上質感を、リアリティをもって伝えるように心がけている」とのこと。撮影地はパリ、ニース、モロッコなどにおよび、更にシチュエーションや時間帯に徹底してこだわっているというのです。
しかし、実際のクレ・ド・ポー・ボーテの広告のビジュアルを見ても、モデルの背景には、パリ、ニースの街並みが写っているわけでも、海岸や夕日が写っているわけでもありません。「ブランドのデザイン」著者の川島氏も書いていますが、シーンの贅沢さが写真に表れていなくて、もったいない話しだと最初は思いました。
しかし、そういった設定にとことんこだわるのは、その時、その場所でしか撮れないモデルの表情があるからだということのようです。つまり贅沢な背景やシーンを直接見せるのではなく、そのシーンに影響を受けたモデルがかもし出す表情そのものから、贅沢で深みのある美を伝えたいというのが、クレ・ド・ポー・ボーテの広告ビジュアルの狙いなのです。最高級ブランドにふさわしい、まさに贅沢なこだわりと言えます。
平田氏によると「クレ・ド・ポー・ボーテ」はポイントメークアップのブランドとしては、おそらく世界で最も高額なブランド。海外は日本よりさらに階層化が進んでいる国も多いので、市場性は高い。今後は、欧米の高級ブランドに対抗するべく知名度を上げていくことが課題のようです。
参考資料:
「ブランドのデザイン」川島 蓉子
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MISSHA (ミシャ) ブランドイメージと売場イメージを再編
http://cin.livedoor.biz/archives/50643455.html
MISSHA(ミシャ)を展開する ABLE C&Cの発表によると、今年の第2四半期の売上は 254億ウォン、営業損失は 31億ウォンになったとのことです。売上は第1四半期から約 3.9%小幅減少した一方、営業損失は赤字幅が25億以上拡がっています。
赤字幅拡大についてABLE C&Cは、ミシ...
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2006-09-03T22:33:01+09:00
■業界ニュース
MISSHA(ミシャ) を展開する ABLE C&C の発表によると、今年の第2四半期の売上は 254億ウォン、営業損失は 31億ウォンになったとのことです。売上は第1四半期から約 3.9%小幅減少した一方、営業損失は赤字幅が25億以上拡がっています。
赤字幅拡大についてABLE C&Cは、ミシャのプレミアムラインである「M」の韓国での発売開始による販促費用及び新しいモデル起用等にともなう広告宣伝費用の増加、また海外法人設立と現地事業のための初期投資費用の増加によって、全体的な販売管理費、営業外費用が上昇したためであるとしています。
■ミシャの02~05年次決算と06年第1~2四半期決算
そのミシャは収益改善の一環として、イメージ向上のために下期に向けてブランドイメージ(BI)と売場イメージ(SI)の変化を図っているとのこと。早ければ9月中旬にテスト売場を立上げ、10月初めには新しいBIに符合する製品ラインを大々的に発売する予定。
ミシャは04年から、「Quality Base MISSHA」をキーメッセージとして、BoA やウォン・ビン をはじめとする有名俳優やモデルを起用したテレビCMを韓国にて展開し、ただ価格が安いだけではない良質で楽しい化粧品というブランドイメージ(BI)の形成を図ってきました。日本におけるコンビニ化粧品より更に価格が安い化粧品ブランドにおいて、このようにテレビCMが作られ放映されていること自体、驚きなのですが、今年のミシャの新メイクアップライン「M」のテレビCMは、今までのブランドイメージから一歩踏み出した世界を演出しています。
韓流ビックスターのチャン・ドンゴン とBoAが出演する同CMは、あたかもミステリー映画のような映像になっており、鏡やグラスなどクラブのあちこちに残された'M'を手がかりに、BoA扮する'M'を追うチャン・ドンゴン編と、チャン・ドンゴンに追い回されながらも悠々と自分の跡 'M'を残していくBoA編の2本立てになっています。とりわけ、セクシーで都会的な女性になったBoAの変身ぶりは目を引くものがあり、ミシャのブランドイメージの変化に大きく寄与していると思います。
一方、売場イメージ(SI)の変化については、明洞(ミョンドン)の店ではこの新メイクアップライン「M」も並べられているとはいえ通常の陳列になっており、今後の変更の方向性は分かりません(下写真参照)。「M」の価格は、ファンデーション9,000~11,000ウォン、リップ7,000ウォン、マスカラ7,500ウォンとそれまでのミシャの商品より高い価格設定になっています。とはいえ、日本のセルフ化粧品の感覚からすればまだまだ安い商品。
10月には、更に新しいラインが発売されるとうことなのかもしれませんが、新たなブランドイメージと売場イメージの符号に期待したいと思います。
※本文中にて紹介した「M」のCM、「スタイルは Mで始まる_BoA編」「スタイルは Mに記憶される_チャン・ドンゴン編」のMOVIEをABLE C&C韓国語サイト のPUBLIC RELATIONS内、ADVERTISINGページにて観ることができます。
■MISSHA 明洞店内 中央に「M」の商品ラインが見える (06年夏)
参考資料:ABLE C&C 発表資料
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