└海外

2006年11月29日

来月から中国での販売を再開するSK-II

P05中国で安全性に問題があるとの指摘により販売停止中のマックスファクター(神戸市)製化粧品「SK-II」シリーズ、12月初旬から中国での販売が再開されます。P&Gの中国現地法人の宝潔によると、販売再開当初は小売店を限定してスタートし、徐々に消費者の信用を勝ち得ていきたいとのこと。もともと10月には中国当局が「健康へのリスクは少ない」との声明を発表したため11月1日にも販売再開の予定だったのが、市場の反応が厳しいことから見送っていました。

9月14日に新華社が、「中国の品質管理当局がSK-IIの乳液やクリームなど9品目から化粧品では使用が禁じられているクロムとネオジムを検出した」と報じたことが発端となった今回の騒動、日本政府による食品の残留農薬に関する規制強化への対抗措置ではという見方から、当初は中国当局による日本製品への意図的な検査強化の現れのようにも思われましたが、次第に親会社の米P&Gの中国法人にも影響が及び、上海の同社事務所のドアが壊される事件も発生したとのこと。単純な日本製品への反発では終わらなかったようです。

さて、販売開始に向けて動き出した「SK-II」ですが、騒動以前の状態回復には時間がかかりそうです。SK-IIブランドの化粧品の安全性が中国で確認された後に、新民網が行ったネット調査では「もう買わない」と答えた人が全体の30%を超えており、それは既存「SK-II」ユーザーの中のみで見ると、約半数に達しています。(下図参照)

■SK−IIブランドの化粧品の販売が再開されたら、今後も購入するか N=159
P02

これには、販売停止中の店頭の状況も影響していると思われます。通常「SK-II」は専用のカウンターやコーナーで販売されていますが、販売停止中もカウンターやコーナーは店内にそのまま設置されており、商品だけが空という状態になっているところが多いようです。例えば、上海のセフォラでもSK-IIの空の専用什器が置かれており、什器中央に「お客様の利益を守るため、当店ではSK-IIの販売を停止しています」といった内容の張り紙がされています。(写真)

P01

これは非常に具合が悪く、日々、セフォラを訪れる客ひとりひとりに改めてSK-IIは有害だと印象づけているようなものです。販売再開に備え、販売スペースを確保しておく必要があるのもわかりますが、むしろ販売停止中はブランドが消費者の目に触れない方策をとった方が良かったのではないかと思います。

ただ、SK-IIといえば看板商品の化粧水をブランド誕生から25年以上の間、ほとんど仕様を変えず、ロイヤスカスタマーを維持する戦略をとっていることが特徴のひとつであるブランド。上記でふれたネット調査でも、他社へのスイッチ意向が既存「SK-II」ユーザーの約半数あった一方、逆に言えば「今後も買い続ける」と答えているかたいロイヤルカスタマーが約半数を占めているとも言え、この状況下におけるその比率はむしろ高いと言えます。よってそのかたい支持を維持するためにも、まずは、離れた顧客を追うよりもロイヤルカスタマーへのフォロー、サービスが販売再開における最優先事項となるのではないでしょうか。

<出所>
P&G中国「宝潔」ホームページ
Livedoor NEWS
その他、独自取材資料


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2006年09月24日

コーセー 中国で百貨店への出店を加速

CH1このところ新聞等で日本の大手化粧品メーカーの中国における出店加速の記事が相次いで掲載されています。資生堂が専門店を今年末までに1,700店に増加させ、08年には売上で1,000億、シェア10%を目指すのをはじめ、カネボウ化粧品は、出店百貨店を09年までに現在の2.5倍の500店、高級薬局を同30倍の1,000店に増やし、売上を現在の10倍の200億にするとのこと。そして、コーセーも中国で百貨店への出店を加速しています。

NIKKEI NET 中国ビジネス特集によると、(以下引用要約)コーセーは中国での現在の百貨店の出店数120店を2007年までに200店に増やし、更に2008年には250店まで伸ばしたいとのこと。これまで主体だった現地生産ブランド「AVENIR(アブニール)」よりも最高級ブランド「ボーテ ド コーセー」の比率を増やしていく一方、上海や北京など沿岸部の高級百貨店だけではなく、地方の百貨店にも出店を進めていくとしています。

コーセーの中国事業全体の売り上げは約60億円。このうち問屋を経由する大衆向け商品の売り上げが全体の約55%、百貨店で直販する高級ブランドの売り上げが約45%であり、今後は百貨店の比率を引き上げていく計画。中国で高価格帯の市場が育ってくるなか、大衆化粧品で早くから地位を築いてきたコーセーは、高級品投入において少し出遅れた感があるとのこと。

ただ、欧米の外資系企業のように、大々的に広告を打つことはぜず、百貨店の美容部員と顧客とのコミュニケーションを地道に重ねて、商品を市場に根付かせていくことを基本としています。そのためにも美容部員の教育に重点を置いており、春から日本の美容統括責任者を中国に駐在させ、現在、800人の美容部員を教育しています。

CH3また、上海の伊勢丹に化粧品を試せるコーナー「ビューティーセンター」を6月末に開設。その場では化粧品を販売せず、商品に触れてもらう機会を提供しています。同時にその場で化粧品の使い方を指導するスタッフの養成も進めていきたいということ。

現在のところ、新たに中国向けに高級ブランドの製品を開発する考えはコストの面から考えておらず、今後は高級ブランドとして「ボーテ ド コーセー」を中核に据え、市場に押し出していきたいとしています。(以上引用)

「ボーテ ド コーセー」の知名度向上が目下の目標というところでしょうか。ただ「コスメ・デコルテ」ではなく「ボーテ ド コーセー」を最高級ブランドとして売り出していく戦略、、中国の消費者には「コスメ・デコルテ」では価格帯がまだ高いということなのかは分かりません。もしくは美容部員のレベルが上がってきた時点での投入を計画しているのかもしれません。

出典:NIKKEI NET 中国ビジネス特集 9/6
http://www.nikkei.co.jp/china/


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2006年09月03日

MISSHA (ミシャ) ブランドイメージと売場イメージを再編

化粧品業界MISSHA(ミシャ)を展開する ABLE C&Cの発表によると、今年の第2四半期の売上は 254億ウォン、営業損失は 31億ウォンになったとのことです。売上は第1四半期から約 3.9%小幅減少した一方、営業損失は赤字幅が25億以上拡がっています。

赤字幅拡大についてABLE C&Cは、ミシャのプレミアムラインである「M」の韓国での発売開始による販促費用及び新しいモデル起用等にともなう広告宣伝費用の増加、また海外法人設立と現地事業のための初期投資費用の増加によって、全体的な販売管理費、営業外費用が上昇したためであるとしています。

■ミシャの02〜05年次決算と06年第1〜2四半期決算
化粧品業界

そのミシャは収益改善の一環として、イメージ向上のために下期に向けてブランドイメージ(BI)と売場イメージ(SI)の変化を図っているとのこと。早ければ9月中旬にテスト売場を立上げ、10月初めには新しいBIに符合する製品ラインを大々的に発売する予定。

ミシャは04年から、「Quality Base MISSHA」をキーメッセージとして、BoAウォン・ビンをはじめとする有名俳優やモデルを起用したテレビCMを韓国にて展開し、ただ価格が安いだけではない良質で楽しい化粧品というブランドイメージ(BI)の形成を図ってきました。日本におけるコンビニ化粧品より更に価格が安い化粧品ブランドにおいて、このようにテレビCMが作られ放映されていること自体、驚きなのですが、今年のミシャの新メイクアップライン「M」のテレビCMは、今までのブランドイメージから一歩踏み出した世界を演出しています。

韓流ビックスターのチャン・ドンゴンとBoAが出演する同CMは、あたかもミステリー映画のような映像になっており、鏡やグラスなどクラブのあちこちに残された'M'を手がかりに、BoA扮する'M'を追うチャン・ドンゴン編と、チャン・ドンゴンに追い回されながらも悠々と自分の跡 'M'を残していくBoA編の2本立てになっています。とりわけ、セクシーで都会的な女性になったBoAの変身ぶりは目を引くものがあり、ミシャのブランドイメージの変化に大きく寄与していると思います。

一方、売場イメージ(SI)の変化については、明洞(ミョンドン)の店ではこの新メイクアップライン「M」も並べられているとはいえ通常の陳列になっており、今後の変更の方向性は分かりません(下写真参照)。「M」の価格は、ファンデーション9,000〜11,000ウォン、リップ7,000ウォン、マスカラ7,500ウォンとそれまでのミシャの商品より高い価格設定になっています。とはいえ、日本のセルフ化粧品の感覚からすればまだまだ安い商品。

10月には、更に新しいラインが発売されるとうことなのかもしれませんが、新たなブランドイメージと売場イメージの符号に期待したいと思います。

※本文中にて紹介した「M」のCM、「スタイルは Mで始まる_BoA編」「スタイルは Mに記憶される_チャン・ドンゴン編」のMOVIEをABLE C&C韓国語サイトのPUBLIC RELATIONS内、ADVERTISINGページにて観ることができます。



■MISSHA 明洞店内 中央に「M」の商品ラインが見える (06年夏)
化粧品業界


参考資料:ABLE C&C 発表資料




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2006年08月08日

アモーレパシフィック アモーレギャラリーの効用

アモーレパシフィック 韓国百貨店での展開(後編) で、少しふれましたが、同社はソウルのアックジョンドンに、アモーレギャラリーという路面店を運営しています。高級アパートメントが集まり、百貨店や高級ブランドの路面店が立ち並ぶこの地区には、他にもMACMAKE UP FOREVERfreshVIDIVICI by leekyungminなどの化粧品ブランドも路面店を出しています。ただ、高級ブティック街とは言っても、例えば東京の代官山や表参道に比べれば、街全体はさほどきれいなわけではなく、普通の街並みの中にブティックやレストラン、カフェが点在しているような感じです。(質屋も多く目につきます)

アモーレパシフィックそのアックジョンドンのロデオコリ通りにアモーレギャラリーはあります。地下1階、地上3階建て、正面がガラス張りになっており明るい光の差し込む建物です。中へ入ると、1階にはアモーレパシフィックの商品が丁寧にディスプレイされています。スタッフの方が挨拶をして迎えてくれますが、基本的にその場で商品を買わせようとする雰囲気はなく、質問をすれば英語で説明を受けながら、気軽に商品をひとつひとつ試していくことができます。ただ、今は「AMORE PACIFIC」ブランドのスキンケア商品の陳列が中心で「雪花秀」などはありません。

2階へ上がると、メイクアップブースが3、4つ設置されており、ブースでは「HERA」のメイクアップ商品が使われています。ここでは、独自のプログラムに基づくメイクアップアーティストのカウンセリングとともに、顧客の肌と好みに合わせたカスタムブレンドの化粧品を提供するサービスを行っており、芸能人ご用達も多く、BOAなどセレブのカスタムブレンド商品が飾ってあります。「HERA」は百貨店で販売していますが、カスタムブレンドのサービスが受けられるのは、このアモーレギャラリーでのみとなっているとのこと。

アモーレパシフィック3階は、多目的スペースになっており、メイクアップスクールなどが開催されています。また、地下一階はエステになっており、同社の商品と韓国の伝統的な施術によるエステを受けられるようになっています。

店内は落ち着いた高級感のあるVMDで統一されていますが、スタッフの方々は皆、対応が非常に親切で、威圧的な印象は全くありません。基本的にこのエリアのアッパークラスの住民がメイン顧客かと思われますが、ブランドの発信基地としては、とてもよい効用を発していると言えます。

※関連記事
・「アモーレパシフィック ソウルの百貨店での展開(後編)」
・「アモーレパシフィック ソウルの百貨店での展開(前編)」
・「アモーレパシフィック 漢方美容研究を産学共同で推進」
・「韓国化粧品市場規模と アモーレパシフィックの成長戦略」
・「韓国化粧品最大手 アモーレパシフィックが日本上陸」


化粧品業界
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2006年07月27日

アモーレパシフィック ソウルの百貨店での展開(後編)

アモーレパシフィック、ソウルの百貨店での展開について、後編はエリアを変えて狎鴎亭洞(アックジョンドン)のデパートを例にとってみたいと思います。

化粧品業界 アックジョンドンは高級アパートメントが集まっている地区であることから、高級百貨店やブランドの路面店、隠れ家的レストランが数多く存在、また芸能人事務所も多くある街です。アモーレパシフィックもこの地区にアモーレギャラリーという路面店を出しています。そしてこのエリアでのショッピングの中心となるのが、韓国一の高級百貨店ギャラリアです。

ギャラリア百貨店は、生活館と名品館に分かれていますが高級ブランド志向がより強いためか、化粧品フロアは欧米列強ブランドに占拠されたような売場になっており、日本勢の姿もほぼ無い状況です(下図参照)。そして、とりわけシャネルは大きな売場を有しています。

■ギャラリア百貨店WEST(生活館) 化粧品フロア略図※06年7月

化粧品業界

※ギャラリア百貨店EAST(名品館)はSK-2、ラ・プレリ、シスレー、ボビーブラウン、AVEDA、スイス・パーフェクションなどが展開。

そしてアモーレパシフィックは生活館にスキンケアブランド「AMORE PACIFIC」のコーナーがあります。場所は一番奥まった位置にありますが、清潔感と高級感が感じられる雰囲気になっています。アッパーな客層が多いギャラリアでコーナー展開しているということ自体、最高級ブランドとしての位置づけの証なのでしょう。

一方、ギャラリア百貨店から少し離れた地下鉄「狎鴎亭」駅前にある現代百貨店アックジョンドン店、こちらはギャラリアに比べると、化粧品フロアの雰囲気はだいぶ庶民的です。やはり欧米外資が多いですが、資生堂、カネボウ、RMKをはじめ他の日本メーカーもコーナー展開しています(下記参照)。

ここでアモーレパシフィックは「HERA」「雪花秀」(Sulhwasoo)がエントランスを入って右側に並んでコーナーを構えています。それほど広い面積ではありませんが、着席して落ち着いた雰囲気の中で接客を受けられるカウンターになっています。(ここではロリータ レンピカの香水も一緒に販売されています)。また他の韓国メーカーでは、チェ・ジウのメイクを担当していたメイクアーティスト、イ・ギョンミンのブランド「VIDI VICI」が入っており、賑わいを見せています。ここでは店の客層の年齢層はやや高いです。

前編のミョンドンと今回のアックジョンドンの百貨店を見る限り、外資との激しい競争の中で必ずコーナーを出している韓国の化粧品会社はアモーレパシフィックのみであり、韓国では唯一同社が自社のプレステージブランドの高級感で外資と対抗できる化粧品会社と言えそうです。

■現代百貨店アックジョンドン店 主な展開ブランド(順不同)
雪花秀、HERA、カネボウ、RMK、ランコム、Dior、ラ・プレリー、コスメ・デ・コルテ、ローラ・メルシエ、クレ・ド・ポー ボーテ、AVEDA、SK-2、シスレー、ボビーブラウン、エスティ・ローダー、資生堂、シャネル、ゲラン、クラランス、DARPHIN、DE LA MER、クリニーク、アラミス、fresh、VIDI VICI

※関連記事
・「アモーレパシフィック アモーレギャラリーの効用」
・「アモーレパシフィック ソウルの百貨店での展開(前編)」
・「アモーレパシフィック 漢方美容研究を産学共同で推進」
・「韓国化粧品市場規模と アモーレパシフィックの成長戦略」
・「韓国化粧品最大手 アモーレパシフィックが日本上陸」


化粧品業界
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2006年07月17日

アモーレパシフィック ソウルの百貨店での展開(前編)

7月23日(日)より、うめだ阪急にて日本先行デビューイベントが実施される予定の韓国最大の化粧品会社アモーレパシフィック、発売開始に向けて徐々に注目が集まってきていますが、地元韓国の百貨店での展開はどのような感じなのでしょうか。現在、アモーレパシフィックが韓国の百貨店で展開している主なプレステージブランドはコープレートブランドであるスキンケア「AMORE PACIFIC」と、漢方ブランドの「雪花秀」(Sulhwasoo)、そしてスキンケア・メイクアップ総合ブランドの「HERA」です。

lotte写真ソウルの百貨店化粧品売場も、日本と同様外資の競争が激しく、ロレアル、エスティローダー、LVMH、そして日本勢、その他独立系の外資系ブランドが、売場の大半を占めている状態です。とりわけ今、シャネルは広い売場面積を有しています。

ソウルの繁華街、明洞(ミョンドン)のロッテ百貨店では、別館から本館化粧品売場に入った右側角に「AMORE PACIFIC」のコーナーがあり、またその奥の左壁沿いに「HERA」と「雪花秀」が並んでコーナーを構えています。(下図参照)

■ロッテ百貨店 化粧品フロア略図※06年7月
lotte図面

「AMORE PACIFIC」のコーナーは、赤と白で統一されすっきりとしていますが、ややこぢんまりとしています。一方「HERA」は動画等を使ったVMDによるアイキャッチ、「雪花秀」は漢方化粧品という外資にはないブランドの雰囲気による存在感があります。印象としてはこの後者の2ブランドの方が、カウンターも広く、客も入っており、売れている感があります。また他の韓国ブランドではLGの「O HUI」が入っています。一方、日本勢は、資生堂が正面エントランス入ってすぐの位置にアネッサ、マキアージュ含め複数ブランドを販売の他、クレ・ド・ポー ボーテ、カネボウ、コスメ・デ・コルテがコーナー展開しています。

また同じミョンドンにある高級志向のデパート、新世界百貨店でも、アモーレは上記3ブランドを展開。「AMORE PACIFIC」はサイドの入口側に「資生堂」と並んでコーナーを構えていますが、「HERA」と「雪花秀」はそれよりもかなり大きな規模で壁を背にして展開しており、離れた場所からもよく見えます。ここでも、後者2ブランドの方がシャネル、ゲランと言った超人気ブランドの大きな売場と拮抗してフロアでは目立つ存在になっています。ただ、ロッテ百貨店の場合もそうですが、この3ブランドのうちディスプレイに最も高級感があるのは「AMORE PACIFIC」です。
(新世界百貨店の展開ブランドは下記参照)

売場の広さイコール売上高の大きさとは限らないので、店舗内での実際のパフォーマンスは分かりませんが、アモーレパシフィックの発表によると、「雪花秀」は、国内コスメティックブランドではじめて、年間売上4,000億ウォン突破を達成、この実績は、同社化粧品部門総売上の約35%を占めるとのこと。また「HERA」は年間売上で、2004年には3,000億ウォンを越えるに至っているようです。日本での両ブランド展開の詳細は分かりませんが、とりわけ「雪花秀」(Sulhwasoo)は韓国らしい特徴あるブランドであり、いずれ売場がオープンされることを期待したいと思います。

■新世界百貨店 化粧品フロア 主な展開ブランド(順不同)
AMORE PACIFIC、雪花秀、HERA、ランコム、Dior、ベネフィット、ラ・プレリー、KIRA、コスメ・デ・コルテ、ビオテルム、ローラ・メルシエ、エリザベス・アーデン、クレ・ド・ポー ボーテ、AVEDA、シュー・ウエムラ、SK-2、シスレー、ボビーブラウン、エスティ・ローダー、資生堂、シャネル、ゲラン、クラランス

※関連記事
・「アモーレパシフィック アモーレギャラリーの効用」
・「アモーレパシフィック ソウルの百貨店での展開(後編)」
・「アモーレパシフィック 漢方美容研究を産学共同で推進」
・「韓国化粧品市場規模と アモーレパシフィックの成長戦略」
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化粧品業界
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2006年05月16日

アモーレパシフィック 漢方美容研究を産学共同で推進

※関連記事
・「アモーレパシフィック アモーレギャラリーの効用」
・「アモーレパシフィック ソウルの百貨店での展開(後編)」
・「アモーレパシフィック ソウルの百貨店での展開(前編)」
・「韓国化粧品市場規模と アモーレパシフィックの成長戦略」
・「韓国化粧品最大手 アモーレパシフィックが日本上陸」

化粧品業界韓国アモーレパシフィック(太平洋化粧品)はソウルの慶煕大学と協力して漢方美容センターを設立、食べてつける漢方による美容と健康の研究開発を共同で行うと発表しました。2011年3月までの5年間に20億ウォン以上を投入し、漢方理論や漢方の原料を利用した皮膚の美容と健康の研究及び化粧品や健康食品の製品開発を共同で推進します。

太平洋化粧品は1967年から高麗人参を使った漢方美容法研究を始め、1972年に高麗人参の有効成分抽出特許を獲得しました。1973年には、それまで薬用だけに使われた高麗人参を化粧品に使った韓国最初の漢方化粧品ブランドを発売、世界34ヶ国で2,000万ドルの売上をあげています。

以後、体系的な研究を繰り返し第二弾、三弾の漢方化粧品を発売、1997年には新たに複数の特許成分の開発に成功、韓国最高級の漢方化粧品ブランド「雪花秀(Sulwhasoo)」を発売し、漢方化粧品市場の全盛期を築きました。この雪花秀は5種類の漢方原料を配合しているだけでなく、漢字による商品名表記と韓国の伝統を感じさせる容器表装がほどこされ、独特の高級感が演出されています。

太平洋技術研究員副社長はこのプロジェクトを通じて、漢方化粧品の理論的体系を確立し、効能、素材、 処方の観点で他社との差別化をはかることで、健康美容食品などトータルビューティーケア(Total Beauty Care)のための基盤を拡充したいと語っています。また今後、外国の自然派化粧品を標榜する製品との差別化と、漢方製品の世界拡販のため漢方による化粧品と美容健康食品の併用研究を継続していきたいとのことです。

漢方研究において一日の長がある技術力と韓国最高級のブランド力によって、アモーレパシフィックの漢方製品が世界の美容健康商品市場で強いプレーヤーになりそうです。

出所:アモーレパシフィック公開資料他




化粧品業界
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2006年04月01日

韓国化粧品市場規模と アモーレパシフィックの成長戦略

※関連記事:
・「アモーレパシフィック アモーレギャラリーの効用」
・「アモーレパシフィック ソウルの百貨店での展開(後編)」
・「アモーレパシフィック ソウルの百貨店での展開(前編)」
・「韓国化粧品最大手 アモーレパシフィックが日本上陸」
・「アモーレパシフィック 漢方美容研究を産学共同で推進」

韓国化粧品最大手アモーレパシフィックの推定によると、03年から05年とほぼ横ばいで推移してきた韓国化粧品小売市場規模が、06年は5%成長し、5兆6千ウォン(約6,700億円)となる見込みです。(下図参照)

その理由としてあげられるのは、第一に健康ブームにともなった消費者の健康志向の高まりによるサプリメントや美容サービスの需要拡大、第二には、ティーンや男性、シルバー世代といった消費者セグメントの需要拡大です。

その韓国化粧品市場において、アモーレパシフィック(太平洋化粧品)は3割近くのマーケット・シェアを占め、なおもシェアを拡大中、06年は36.2%のシェア獲得を目標としています。その着実な成長を成し遂げるべく、今年2月に発表されたその成長戦略の概要は以下の通りです。

◆グローバル市場での拡大
・アジアにおいて、ラネージュ(Laneige)といったメジャーブランドの展開を加速する
・フランスでは、ロリータ レンピカ(Lolita Lempicka)の新商品を導入。
・アメリカにおいて、高級百貨店のアモーレパシフィックのカウンター出店を拡大する

◆販売チャネルの多角化
HUE Place安定運営とフランチャイズによるブランド・ショップの出店加速
・特定ブランドを多面的なチャネルで販売する

◆マーケティングの強化
・プレステージ市場への差別化された商品・サービスの投入
・顧客にとっての最適価格を提供することにより購買意欲向上を図る
・スキンケアとメイクアップのバランスのとれた成長を維持

以上、マーケティングの強化の部分はやや具体性に欠けますが、他の部分では販売地域・販路についての拡大戦略が明確に示されています。また、上記以外にも、アモーレパシフィックは今年、日本の百貨店市場への進出も計画しています。

韓国化粧品市場は市場規模が日本の半分弱とはいえ、母国でのシェアという点では日本における資生堂のシェアの倍近くを誇るアモーレパシフィック。その安定した地盤を背景に、今後、グローバルな市場で日本メーカーと競い合うことになりそうです。


◆韓国化粧品小売市場規模とアモーレパシフィックのシェア
(単位:兆ウォン)
AMORE2006
韓国では伝統的に訪問販売の構成比が高い
※2006年は予測

出所:アモーレパシフィック公開資料

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2006年03月19日

仏ロレアル、英ボディショップを買収

  仏化粧品大手ロレアルは17日、英自然派化粧品ザ・ボディショップを買収することで同社と合意したと発表しました。買収額は約6億5200万ポンド(約1360億円)。ボディショップは動物愛護や環境保護など独自の経営方針で知られ、日本ではイオンと提携しています。

ボディショップは地球環境保護や化粧品開発における動物実験の廃止といったポリシーを全面的に打ち出し、76年にイギリスで1号店をオープンしました。天然の原料を使い、容器のリサイクルを積極的に取り入れたボディショップの化粧品は多くの人の支持・共感を得て急成長を遂げ、現在では54カ国で2,085店を展開する大企業になっています。05年2月期の売上は約4億2千万ユーロ(小売ベースでは7億ユーロ超)、営業利益は3千6百万ユーロ。

ロレアルはボディショップ買収によって既存のブランドポーロフォリオに更に広がりを持たせることができ、またボディショップの高度な流通リテラシーを吸収することができます。一方、ボディショップはロレアルの持つ研究開発やマーケティングのノウハウを共有することができるようになります。よってシナジー効果の期待できる買収だと思います。

化粧品業界

またロレアルにはボディショップ買収によって新しい顧客層を獲得し、環境に優しい企業イメージを得る狙いもあるとのことです。しかし、実際のところ、ボディショップ買収がイコール、環境に優しい企業というPRに結びつくことは無いと思われます。むしろ、先にも述べたブランドポートフォリオの拡充をしたこと、つまり自然派化粧品市場が今後更に拡大すると見て、先手を打ったという点がポイントだと思います。(競合のエスティーローダーは自然派化粧品のオリジンズを持っています)

ボディショップのブランド価値を保つため同社店舗ではロレアル製品は扱わず、独自性を尊重する方針、またボディショップの現経営陣についても続投となるようです。

かつてはボディショップの独壇場だった自然派化粧品市場も今は多くの競合がひしめいており、自然派化粧品は淘汰の時代ともいえます。そのためロレアル傘下に入ることによって、ボディショップが更に成長できるかどうかは、全く未知数です。

◇ボディショップ決算より(単位:100万ユーロ)
化粧品業界

※出所:日本経済新聞、ロレアルプレスリリースほか




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2006年03月01日

ドクターシーラボ、韓国に対面型店舗1号店を出店

化粧品業界 アクアコラーゲンゲルで有名な株式会社ドクターシーラボは、3月3日、韓国の京畿道安山市に韓国1号店となる店舗を出店することを発表いたしました。

同社は、2005年4月にDR.CI:LABO KOREA(100%出資子会社)を設立し、卸店舗やウェブサイトを通じて製品販売を開始。今回、韓国での対面型店舗第1号をGSスクエア安山店に出店します。安山市は、ソウルから約65km、人口約67万人の商業都市。

ドクターシーラボはアクアコラーゲンゲルのヒットと成長著しいネット通販の波に乗り急成長。通販化粧品メーカー別シェアでは'00年の15位から'03年には8位まで順位を上げています。

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