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2006年11月18日

ヒロインメイク 星降る瞳で心をつかむ

化粧品業界化粧品の訴求には女性の感性に訴えかける情緒的な要素と、商品の品質を謳う機能的な要素の2つのバランスが求められます。一般的に高級化粧品になるほど、情緒的な部分の比率が高くなると言われていますが、低価格のセルフの市場でも、情緒的要素のマーケティングが成功のきっかけとなったケースはあります。

記憶に新しいところでは03年に発売された資生堂の「マジョリカ・マジョルカ」。「魔法のような即変身コスメ」というコンセプトに基づく情緒的ストーリーを、商品デザイン、パッケージ、販売台そして広告などに徹底して貫き、それに共感するターゲット層をとらえ大ヒットしました。そして最近、新たな成功例として注目されているのが、05年2月に発売された伊勢半の「ヒロインメイク」です。

化粧品業界「ヒロインメイク」といえば、ユーザーではない女性でもGMSやドラッグストアの化粧品売場で一度は目にした記憶があるでしょう。ヒット商品のロング&カールマスカラ ピンクの地色にまるで少女マンガから飛び出したような女の子の顔が大きく描かれ、「天まで届け!マスカラ」と大きくコピーが書かれたそのパッケージは、強烈と言っていいほどのインパクトがあります。

商品開発の過程で綿密な調査に基づく消費者の声を活用したそうですが、それでこのようなトゲのあるデサインやコピーを策定できたのはむしろ意外と言えます。

発売直後から関心を持った女性達のクチコミが@コスメに書き込まれはじめ、7点満点で6点近い高い評価をいきなり獲得します。その後、ユーザー層の拡大に合わせてクチコミが自然発生的に増加、結果、ヒロインメイクのロング&カールマスカラは2005年@コスメ ベストコスメ大賞を受賞します。

口コミの内容から見えるヒットの要因のポイントは、あえてターゲットを絞ってトゲのある世界観で勝負したことと、低価格ながら効果を実感できる商品力の2点だと思われます。

「思わずパケ買い!!」「ベルバラ的な外観に一瞬にして心を奪われての購入」「ずっと前、初めて見たとき一目惚れ♪ジャケや、宣伝文句(?)でさらに惚れ♪」「ヴィジュアルショック!!」など、なるほどこのパッケージの威力はすごいですが、こんなパッケージでは恥ずかしいという女性もいるはずです。ただそこで万人ウケを意識したらあの世界観は実現しなかったでしょう。

また一方で、「睫毛がバチコーンっと上を向きます」「1日中持続!」「パンダにならない」など、このマスカラはカール力やキープ力、そしてにじみにくさといった商品力の点でも高い評価を得ています。つまり冒頭の情緒的要素と機能的要素の両方が強いため、好循環でクチコミが増加、ユーザーの裾野拡大に繋がったと思われます。この点は、マジョリカ・マジョルカのヒット商品、オートマティックライナーのケースと非常によく似ています。

06年2月には、「落ちにくい」というマスカラのネガティブな口コミ評価に対応してリムーバーを発売、現在は、アイメイク6アイテムとベースメイク3アイテムのラインナップを展開。いずれも、パッケージはあのインパクトのある共通の世界観を表しています。マスカラのセルフ市場は、イミュのデジャヴュ ファイバ−ウィッグという不動の人気商品があり、また、もとよりメイベリンが強く、更にマックスファクター資生堂など制度品メーカーも攻勢をかけています。その競合ひしめく市場で上位にくい込んでいるヒロインメイク、強力な情緒的要素で既存の人気商品との差別化に成功した好例と言えます。

※06年10月 日経POS情報 マスカラカテゴリーの販売個数ランキングではヒロインメイクのロング&カールマスカラは、イミュ、メイベリン、マックスファクター、マジョリカ マジョルカの商品群に続いて8位にランクされています。


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2006年11月05日

ブランドイメージ流動化を図るエスティローダー

xmas毎年、この季節になるとデパートではだんだんとクリスマス用のデコレーションが始まってきます。特に化粧品はいち早く各社からクリスマスコフレや限定カラーが発売されるなど、先行して雰囲気を盛り上げています。その中にあって、例年、セットのボリュームの多さが話題になるエスティローダー。今年のセット、メークアップ コレクション2006(10/27発売)も期待通りの中身の多さで、早い勢いで完売したようです。

今年のセットは人気色のリップ301、303をはじめ、アイシャドウやパウダーもベーシックで使える色がほとんどで、かなりお得感が高かったよう。ただ付属のトレインケースは賛否両論、ポーチやブラシは不評のようですが、トータルでは満足という方が多かったのではないでしょうか。また今回は、オスカー女優のグウィネス・パルトロウを広告に起用した華々しいPR効果が特に新客取り込みに寄与しているかもしれません。

es3

エスティローダーの広告の女性といえば、ミューズとして長く同じ女性が努める印象がありますが、最近は主にエリザベス・ハーリーとキャロリン・マーフィーの露出が多く、2人のイメージが顧客には定着しているのではないでしょうか。

エスティローダーが広告にはじめてモデルを起用したのは1962年。同社が初めて大手広告代理店(AC&Rエージェンシー)を使ったキャンペーンに乗り出した頃からです。当時すでに競合他社は自社広告に多くのモデルを使っていましたが、エスティは1人の女性に自社商品を体現させることに決め、「エスティローダーの女性」のシンボルになるようなモデルを探します。これが同ブランド独特のミューズの制度の始まりであり、‘62年から20世紀末までに、エスティローダーは7人のモデルを起用し、彼女達のほとんどは少なくとも5年間は、ブランドを代表する顔、ミューズを努めています。

初期のミューズはフォーマルで正装したときのようなエレガンスがあったのが、消費者の意識や優先順位の変化に合わせて、もっとリラックスした美しさを持つ顔が主流になり、昔より社会的なステータスを感じさせない顔が選ばれるようになっているとのこと。そういう傾向からすると、グウィネス・パルトロウの起用は合っているように思います。一方で、最近は同時期に複数のモデルを平行して起用するようになってきており、その点でも初期の考え方から変化してきています。消費者の変化のスピードに合わせ、特定の顔に依存しないブランドイメージ作りを目指しているようです。

■エスティローダーの主な起用モデル
62年 Phyllis Connor
65年 Karen Harris
70年 Karen Graham
85年 Willow Bay
88年 Paulina Porizkova
95年 Elizabeth Hurley
01年 Carolyn Murphy
03年 Liya Kebede
05年 Gwyneth Paltrow
06年 Anja Rubik

<参考資料>
ザ・ブランド―世紀を越えた起業家たちのブランド戦略


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2006年10月16日

有楽町西武 「ビューティー館」 で差別化路線歩む

西武19月9日、全館リニューアルオープンした有楽町西武、オープン初日の来店客数は45,000人、売上も目標の2倍を記録したと報道されていましたが、その後の立ち上がりも好調で、全体の入店客数は改装前の約135%ということです。
以前は午後6時以降に1日の売上の6割を稼いでいたのが、ビューティー館ができたことにより午後3時、4時に来店するミセスの客層が増加、来店数で「ふたこぶ」的な動きが出てきているとのことです。

そのビューティー館とは、有楽町西武のB館が生まれ変わったビルで、地下2階がエステ、地下1階に自然派化粧品、1階はメイクアップ、2階にスキンケアなど、それぞれに特化した商品展開をしている世界初の美容特化型百貨店です。9月26日放送の「ガイアの夜明け」で紹介されましたが、各化粧品メーカーが独自に運営するブランドのコーナー以外に、西武の自主編集売場を設けているのが特徴で、そこでは41ブランド・480種類の品揃えを行い、ブランドの枠にとらわれない商品の提案を行っています。また、日本発上陸の南仏系香りのブランド、「テールドック」が出店されたことも目玉です。

番組で紹介された上記の点とは別に、ビューティー館において目を引く点が2点あります。

西武21つめは「リサージ」がコーナー展開していることです。「リサージ」は現カネボウ化粧品社長の知識賢治氏が育てたとされるカネボウの専門店専用ブランドで、百貨店への出店は初。もともとカネボウは、専門店チャネルや量販チャネルに比べて百貨店が弱いとされていましたが、「RMK」「SUQQU」の成功に続き、最近では「ルナソル」の存在感が増しつつあります。
そこへ専門店チャネルで実績のある「リサージ」を加えることで、カネボウグループとしての百貨店ブランドのポートフォリオに厚みが出るのは間違いありませんが、今後、仮に百貨店で本格展開してくとなると、専門店との住み分けをどうしていくのかが、課題になると思います。

2つめは、「インナーシグナル」のコーナーが入っていることです。「インナーシグナル」は肌細胞力の活性化をコンセプトとした大塚製薬のスキンケア化粧品です。大手製薬会社の化粧品分野へ本格参入が相次いでいますが、大塚製薬の「インナーシグナル」は、製薬会社が作る化粧品ブランドとしては百貨店チャネルに最も食い込んでいるブランドではないでしょうか。以前より出店している三越本店では1万円の美容液が月100個以上売れており、美容意識の高い顧客を着実に取りこんでいるようです。

そして、この10月10日(火)〜16日(月)の間、有楽町西武ファッション館1階 プロモーションスペースにて、「インナーシグナル」と同じく製薬会社の作るスキンケアの競合「オバジ」(ロート製薬)の2ブランドが並んでブースを構え、肌診断と販売を行うイベントを実施しました。

西武

百貨店入口のイベントスペースといえば、外資系高級ブランドのイベントというイメージがありますが、製薬会社のブランドが大々的に取り扱われることからも、有楽町西武の差別化路線が表れていると言えそうです。

ただ、同時にビューティー館の自主編集売場にも「オバジ」が置かれたことは、売場のコンセプトを中途半端にしています。ここは他の百貨店ではあまり置かれていない商品が揃っていることが魅力のひとつではあるはずですが、量販店で売られている「オバジ」が並ぶことで、西武としての個性が薄くなってしまった気がします。

<参考文献>
日経消費マイニング 2006.10


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2006年10月01日

長い低迷から抜け出した外資の雄 クリニーク

日本の百貨店化粧品市場において10年近くの間、売上減少が続いてきた「クリニーク」ですが、ここへきて復活のきざしが見えてきています。04年、05年と減少幅が小さくなり、06年に入ってからは横ばい状況からプラスに反転。国際商業によるデータを集計すると、全国の有力百貨店13店※の今年上半期の「クリニーク」の販売金額は、前年対比103%となっています。

化粧品業界「クリニーク」といえば、かつては常に百貨店の化粧品フロアで売上トップにあった輝かしい歴史がありますが、その誕生当時は決して順風満帆だったわけではないようです。

エスティローダーが米国で「クリニーク」を発表したのは、今から38年前の1968年。基幹ブランド「エスティローダー」のターゲットより若く、また自分の肌の状態に関心のある女性をターゲットとし、医学的に安全で、最先端の化粧品として売り出されました。販売員が白衣を着て、客の肌診断を行いスキンケアの方法を提案するスタイルは既に当時から始まっています。

「クリニーク」を独自のブランドとして育てるために、あえて知名度のある「エスティローダー」の売場とは離れた場所で展開したことあり、当初は売上が上がらず、「クリニーク」は数年にわたって損失を出し続けました。しかし同社は損失を被りながらも更に積極投資を続け、ブランド育成の努力を続けます。その結果、70年代半ばから売上が急増、80年代始めにはフォーブス誌が「クリニーク」を高級スキンケア化粧品市場の”walkaway winner”(楽勝プレーヤー)と賞賛、その後、同ブランドは全盛期を迎えることになります。

化粧品業界このように、粘り強い努力によって事業を成功させたわけですが、それができたのは同社が非公開の企業であり、短期の結果を求められる資本市場からの圧力が少なかったからだと経営陣は振り返っています。

そして、現在の日本において、過去約10年という長い低迷から抜け出してきた「クリニーク」ですが、その背景には次のような改革があったようです。

第一に、クリニークコンサルタント(BA)の評価を購買客数ではなく接客数で計ることに変更し、売上よりも、まずは1人でも多くの人にクリニークを知ってもらうことに重点を置いた接客を展開したこと。第二として、それまで商品写真のみだった広告ビジュアルに創業以降初めて女性モデルを起用、雑誌やリーフ、店頭VMDに大々的にビジュアル展開することで、エイジングしたブランドイメージの若返りを図ったこと。そして、第三に、販売員(BA)の制服を白を基調としながらも、従来の白衣とは異なる独自のスタイルに変えたこと。それにより顧客へ与える印象が和らぎました。

以上に加え、日々の販売努力など様々な要素があると思いますが、少なくともそれらの相乗効果により、クリニークのコーナーには賑わいが戻っており、スキンケアや美白ラインの売上の底上げに繋がっていると思われます。また昨年発売のマスカラは、その広告ビジュアルがやや度が過ぎている感もありましたが、商品力があり高い人気を維持しています。今後「クリニーク」が本格回復基調に乗っていくには、新しい世代の顧客をより多く獲得していくことが必要だと思います。

※文中の全国の有力百貨店13店:
新宿伊勢丹、梅田阪急、札幌大丸、新宿高島屋、新宿京王
日本橋三越、日本橋高島屋、銀座松屋、横浜高島屋、名古屋松坂屋、 京都大丸、大阪高島屋、心斎橋大丸、神戸大丸、福岡岩田屋

■クリニーク 06年7月 百貨店10店舗 売れ筋ランキング
クリニーク売れ筋

<出典・参考資料>
国際商業
ザ・ブランド―世紀を越えた起業家たちのブランド戦略
HBSケース


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2006年09月12日

MISSHA (ミシャ) 加速する日本での店舗展開

当ブログ9月3日の記事にてMISSHA(ミシャ)のブランドイメージ再編についてふれましたが、ミシャは昨年ネット通販で初めて日本に進出し、今年7月にオープンした大阪直営店を含め、現在、仙台、名古屋に計10の店舗を運営しています。

仙台一エイブルC&Cは日本での直営第1号店のオープンを皮切りに、現地のエージェンシーを通すのではなく、子会社「MISSHA JAPAN」の主導のもとで市場攻略に乗り出し、年内に東京や九州にも計10の直営店をオープンする計画だとのこと。

仙台クリス 仙台と名古屋の店舗を見ると、ソウルの店舗と同じく赤と白のイメージカラーで外装、内装とも統一されています。そして、店舗の前には、ネイル190円、ヨーグルトパック220円など低価格をアピールする看板が置かれ、「安くてかわいいものがいっぱい」「試すだけでもOK、気軽に店内」と謳っています。


仙台の店舗はクリスロード店と一番町店の2店とも商店街のアーケード内にありますが、一番町店の方は広く外観も良いことから、MISSHA(ミシャ)のブランド発信店としていい効果があるのではないでしょうか。

名古屋センまた名古屋、栄の地下街セントラルパークの店舗は、同様に広さもあるうえ、地下街に人通りが多い名古屋の特性も手伝い、お客の店内への誘導が良いようです。一方、名古屋の矢場町店はパルコの裏通りにあり、美容院や洋服店の並びとはいえ、立地はあまり良いとはいえません。

名古屋矢場名古屋の老舗百貨店丸栄の3Fにも店舗があります。実は、この丸栄の2階、3階は近年様変わりし、渋谷の109(マルキュー)のような店舗展開になっています。そのためフロアの客層の中心はかなり年齢が若く、ややかたよった層に限定されています。そんな中、周囲を個性の強いテナントに囲まれながらも、ミシャの店舗はそれらに負けないインパクトを発しています。

名古屋丸 どの店も、ソウルの店に比べまだアイテム数が少ないことから、店内の陳列はやや整然としています。ただ、韓国で発売されているプレミアライン「M」が、チャンドンゴンのビジュアルによるPOPや、店内のテレビモニターに流れる韓国版テレビCMによりPRされており、11月頃には商品も日本に導入されるとのこと。今後は揃えも充実していくようです。

ところで、エイブルC&Cはミシャの花柄マーク使用をめぐって、日本のマリークワントコスメティックスジャパンが起こした商標権訴訟にこのほど敗訴したとのこと。ソウル南部地裁の判決によって、ミシャは該当商標の商品パッケージや広告などへの使用、商標を使用した商品の販売・譲渡、商標のインターネットサイト上の表示などが禁じられ、直営店などにある物品に表示された商標も廃棄しなければなりません。ミシャにとっては非常に厳しい内容ですが、両社の花柄マーク、言われてみれば確かに形は同じですね。

参考資料:Yahoo News




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2006年09月09日

クレ・ド・ポー・ボーテ  広告ビジュアルの贅沢な背景

資生堂の百貨店・プレステージブランド「クレ・ド・ポー・ボーテ」。流通チャネルを限定し、顧客の関係性を深める「顧客接点深耕ブランド」として位置づけられています。市場シェアより私情シェアを取る。つまり面としての市場をとっていくのではなく、ひとりのお客のマインドシェアをとっていくことを「クレ・ド・ポー・ボーテ」は重視。その蓄積により、結果的には幅広い年齢層から国産の最高級化粧品ブランドとして認知され、支持されています。

クレクレ・ド・ポー・ボーテの広告は、テレビなどマスより雑誌などを使う展開を行っていますが、最近出版された「ブランドのデザイン」によると、その広告のビジュアルには随分贅沢な仕掛けがあるようです。

「クレ・ド・ポー・ボーテ」の広告のビジュアル自体は、モデルの上半身を映し出したものがメインですが、資生堂事業企画部長の平田賢一氏によると、「広告で使うビジュアルは、セットではなく実際に世界中に赴いて撮影をし、その時代のインパクトや上質感を、リアリティをもって伝えるように心がけている」とのこと。撮影地はパリ、ニース、モロッコなどにおよび、更にシチュエーションや時間帯に徹底してこだわっているというのです。

しかし、実際のクレ・ド・ポー・ボーテの広告のビジュアルを見ても、モデルの背景には、パリ、ニースの街並みが写っているわけでも、海岸や夕日が写っているわけでもありません。「ブランドのデザイン」著者の川島氏も書いていますが、シーンの贅沢さが写真に表れていなくて、もったいない話しだと最初は思いました。

しかし、そういった設定にとことんこだわるのは、その時、その場所でしか撮れないモデルの表情があるからだということのようです。つまり贅沢な背景やシーンを直接見せるのではなく、そのシーンに影響を受けたモデルがかもし出す表情そのものから、贅沢で深みのある美を伝えたいというのが、クレ・ド・ポー・ボーテの広告ビジュアルの狙いなのです。最高級ブランドにふさわしい、まさに贅沢なこだわりと言えます。

平田氏によると「クレ・ド・ポー・ボーテ」はポイントメークアップのブランドとしては、おそらく世界で最も高額なブランド。海外は日本よりさらに階層化が進んでいる国も多いので、市場性は高い。今後は、欧米の高級ブランドに対抗するべく知名度を上げていくことが課題のようです。

参考資料:
「ブランドのデザイン」川島 蓉子


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2006年08月30日

ポーラ 進む本格エステ併設店の拡充

PL5 訪販最大手のポーラ化粧品本舗は、女性の在宅率低下や化粧品販売チャネルの多様化に対応するべく店頭販売へのシフトを推進していますが、そのシンボル的業態「ポーラ・ザ・ビューティー」は100店舗を超え拡大中のようです。

※「ポーラ・ザ・ビューティー」は、化粧品物販、カウンセリングコーナー、エステサロンという3つのスペースで構成された店舗。

もともとポーラが営業所(訪販事務所)を誘客型のエステサロンへ転換していく構想は、02年に同社の「新創業中期経営計画」にて発表されていますが、その後、進捗が遅れていたようです。しかし、昨年より営業所の「ポーラ・ザ・ビューティー」への転換が進み始め、05年8月時点での16店から、約1年の間に107店(同社ホームページ上での掲載店数)まで増加、05年のポーラグループ決算においても「ポーラ・ザ・ビューティー」は売上20%増と業績向上に寄与したそうです。

「ポーラ・ザ・ビューティー」がエステをきっかけとして新規顧客を開拓していくには他のエステ業者との差別化が必要ですが、ポーラのエステは既存の大手エステとは一線を画すポジションを築きつつあるように思えます。そのキーワードは、価格、ブランド力、カウンセリング力、立地の4つです。

化粧品業界現在、ポーラのエステの魅力のひとつは価格の安さです。(トライアル2,205円or 3,150円) もちろん大手の他のエステ業者には更に安いメニューもありますが、ポーラブランドでありながらこの価格というのは値頃感があると言えます。

そのポーラブランドのロイヤリティーは、あくまで推測ですが訪販最大手としての歴史から来るものに加え、02年から4年間、継続してオンエアされたテレビCM、具体的にはポーラレディがお客をカウンセリングしたりエステをしたりするシーンを描いたテレビCMによって、ポーラの訪販とは無縁だった人々が持つポーラの企業イメージがかなり向上し、変わったであろうことが影響していると思われます。

また「ポーラ・ザ・ビューティー」へはエステだけが目的で来るお客さんも多いはずです。一般的にエステは商品をしつこく勧められる!というイメージがある中、施術後に、顧客にポーラの化粧品を買ってもらうのは最も販売員の技量が問われるところだと思います。そこでは、訪販にて培われたポーラレディのカウンセリングのノウハウ、つまり訪問宅で顧客の様々な相談にのったり、悩みを聞いたりして顧客と人間関係を築いてきた経験が大きな力になるのではないでしょうか。

最後に立地ですが「ポーラ・ザ・ビューティー」は、もともと事務所を店舗に転換しているため、都会の駅チカにお洒落な店舗を構える大手のエステとは違い、いわゆるちょっと外れた場所にあります。一見して集客上不利なようですが、ホームページや他媒体から予約客を誘導することは可能ですし、かえって地域密着型でいいかもしれません。

結論として「ポーラ・ザ・ビューティー」は、地域に根ざしたエステとして、値頃感のある価格でサービスを提供しながら、顧客としっかりとした人間関係を築いていく拠点として、独自のポジションを築いていけるのではないかと想像します。

参考資料:
日経産業新聞
宣伝会議


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2006年08月26日

小林製薬 化粧品分野に本格参入

化粧品業界小林製薬株式会社は10月1日から、高機能スキンケアライン「リアルラボ」の発売を開始し、化粧品分野に本格参入すると発表しました。(9月1日からリアルラボサイト(http://www.reallabo.com)、電話、FAXにおいて購入受付開始)

「リアルラボ」は製薬会社として確かな実感を約束する意味の「Reality(本質)」と先端技術の目利きができる「Laboratory」からの創語ということで、発売されるラインナップは、くすみ・ザラつき対策ローション10,500円、たるみ対策美容液6,300円、乾燥対策クリーム6,300円、しわ対策部分用美容液6,300円の4点です。

発表されている「リアルラボ」の特徴的な要素をまとめてみました。

・ターゲットは流行に左右されず、本質を見抜く選択眼を持つ30〜50代の女性
・DDS技術による目に見える、実感できる高い効果
・「暴走肌」を食い止め「育肌力」(いくはだりょく)を引き出す
・通信販売ルートで販売
・WEBを中心にしたメディアミックスによる販売促進

※DDSとは、薬物の副作用を軽減したり効果的に使用するために、必要とされる部位に選択的に 到達するように、また長期間にわたって持続的に放出されるように製剤などの工夫をした 投与形態のこと。
*1 「暴走肌」=肌機能が低下している状態

化粧品業界製薬会社のスキンケアではロート製薬のObagi(オバジ)がヒットしていますが、小林製薬のリアルラボのターゲットはオバジと同じか若干上の年齢層を狙っているようで、それは価格設定にも表れています。一方でリアルラボの場合はDDS技術に基づくとされる機能効果をかなり強くアピールしており、サンプリングや初回購入において、ターゲットのいわゆる”本質を見抜く選択眼を持つ30〜50代の女性”が、実際に目に見える効果を実感できることが、リアルラボ立ち上がり時のKSFになるでしょう。

また販売面については、雑誌・新聞の紙媒体とWEBサイト、ブログそしてアフィリエイトのWEB媒体とのメディアミックスによる販促によって、自社の通販サイトに顧客を誘導する形態をとるということで、テレビCMは行わず、機能効果を丁寧に説明できる媒体を使ってブランドを形成しながら、一方で思い立ったらすぐ買える仕組みを作っておく通販化粧品の手法を踏襲しています。ただ、今後、それら媒体に掲載されるものと思いますが、コピーにある「暴走肌」という言葉は、ファーストインプレッションがすこし暴力的なため、化粧品になじむのか疑問です。しかし、そこはおそらく十分に調査をしたうえでの採用なのでしょう。

小林製薬では今後、スキンケアだけでなくその他分野の製品も開発していくとのこと。個人的には今後の展開のためにも、第一弾は成功してほしいと思います。

参考資料:小林製薬プレスリリース


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2006年08月20日

ラックス 新商品振るわず 資生堂 TSUBAKI 首位キープ

lux002ユニリーバ・ジャパンが従来計画を2カ月前倒し、7月3日から発売した「Lux(ラックス)」の新シリーズ「スーパーダメージリペア」シャンプーコンディショナー(当ブログ6/10付け記事参照)は、売れ行きが堅調な資生堂の「TSUBAKI(ツバキ)」への対抗商品とされていますが、発売月の販売は振るわず、「TSUBAKI(ツバキ)」からのシェア奪還は成らなかったようです。

ラックスのヘアケアの現在の商品ラインは「スーパーダメージリペア」シリーズ発売により、既存の「スーパーリッチシャイン」「リペアアクティブプログラム」シリーズと合わせた3シリーズ、計17アイテムになっていますが、このほど公表された7月のTOPPAN POSデータ(カテゴリー別上位20位)によると、シャンプーとヘアリンス・コンディショナーの両カテゴリーにおいて、1位 は資生堂ツバキ ポンプタイプ、2位にラックス スーパーリッチシャイン 詰替え用と順位は前月と変わらず、ラックスの新シリーズ「スーパーダメージリペア」は、コンディショナー詰め替え用が17位にランクインしたのみに留まりました。更に1位TSUBAKIのシャンプーコンディショナーはそれぞれ金額シェアを前月から伸ばしています。(下表参照)

■シャンプーカテゴリー上位20位より抜粋 0607sp

■ヘアリンス・コンディショナーカテゴリー上位20位より抜粋 0607cd

一部報道によれば、ラックスの新シリーズ発売後、週次のブランド別シェアでラックスがツバキを逆転する場面があったようですが、上記のTOPPAN POSデータとは別の日経POS情報でも、7月の月次のブランド別順位では、やはりツバキが首位をキープしているようです。ラックスの17アイテムに対してTSUBAKIは5アイテムと少ないにも関わらずTSUBAKIの方が合計で多く売れていることになり、ラックスの商品ライン拡充の効果は今のところ出ていないことになります。

lux1ユニリーバは今回「Lux(ラックス)」の新商品のイメージモデルに初めて東洋人の冨永愛を起用し、黒髪、ストレートロングヘアを強調した広告戦略をとっています。これが裏目に出たと考えるのは時期早々かと思いますが、一方で売場を見ると、冨永愛の専用販売台で展開されている場合はいいとして、通常の棚に陳列されると、客はどれがラックスの新商品なのか、まず分からないだろうという印象を受けます。パッケージの地色がグレーでやや地味であることや、商品ラインの多さが影響しているかと思われます。

資生堂の発表によればTSUBAKIの売り上げは、発売から約5カ月の8月末時点で年間目標の100億円を突破する見通しとなった模様。出荷量は7月末で2,000万本を突破し、年間ではその2倍の4,000万本程度に達するとしています。目標をこれだけ上回る数量を欠品を起こさずに供給できていることも好調を支える要因になっていると思います。

POS情報出所:TOPPAN POSデータ
参考:日経流通新聞MJ(2006/08/09)

関連記事
「GRPの量だけじゃない。TSUBAKI スタートダッシュの要因」
「ユニリーバ「新ラックス」発売前倒しで巻き返し図る」
「資生堂 TSUBAKI(ツバキ) 販売 出だし順調」
「資生堂、ヘアケアでもメガブランド投入「TSUBAKI」」

関連調査結果:
「シャンプー」に関する調査 「TSUBAKI」はなぜ売れたのか C-NEWS


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2006年08月06日

アマゾンジャパン化粧品ストア開設で グラスオール 堅調

AZ1アマゾンジャパンは3日、自社のインターネットサイト「Amazon.co.jp」上に「ヘルス&ビューティーストア」を開設しました。

同社はかねてより取扱いカテゴリーの拡大を図ってきていますが、新サイトでは女性を中心に要望が多かった化粧品などを取り扱い、1300種類、合計3万点超の商品を揃えるということです。

注目の中身ですが、1300種類というだけあって、カテゴリーはサプリメント・食品、バス・ケア用品、アロマ・リラクゼーション、ヘルスケア、ダイエット、ビューティー、ベビー、介護、日用品等、かなり多岐にわたっています。化粧品はビューティーに属し、商品ラインはスキンケア、メイクアップ、フレグランス、サンケア、ボディケア、ヘアケア、男性用化粧品となっています。

8月3日開設ということで、まだ3日しか経っていませんので、販売状況を見るのは時期早々ですが、新サイトのトップセラーランキングを見ると、カネボウ化粧品の通販専用ブランドグラスオール トライアルセットが1位になっています。(グラスオールについては当ブログ1/28付記事にて紹介)

グラスオールは今回のアマゾン新サイト開設に合わせたプロモーションを実施しており、ビューティーカテゴリーのトップページやスキンケア、メイクアップの各カテゴリーのトップページに広告が出稿され、そのまま商品が購入可能になっています。それら広告の効果も表れているかと思われます。

化粧品業界幅広いカテゴリーラインの中で先行して売れているのはサプリメントや健康飲料系の商品ですが、化粧品ではスキンケアで「セラアクア」 クリーム 30g(8,400円)や「INGRID MILLET 」 クレール ゴマージュ (クレンジング) 75ml(9,975円)、そして「ザ ミツイ クリーム」 40g(11,550円)と比較的高額な商品も売れているようです。これにはヘルス&ビューティーストアの商品を5000円以上買うと、1000円分がその場で割引になるというインパクトのあるオープニングキャンペーンが効いているのかもしれません。

もともとアマゾンは1,500円以上の購入で送料が無料になるなど、消費者にとっては他のECサイトよりお得感があります。ただ、化粧品の中心となるスキンケアとメイクアップについて見ると、「LORAC」「ユーシア」などを除けば馴染みのあるブランドが少なく、「エレクトロニクス」や「ゲーム」、「スポーツ」など大手有名メーカーの商品が並ぶ他のアマゾンのカテゴリーと比較すると、その点ではやや見劣りします。またサイトデザインも従来の踏襲で特に女性を意識してはいないようです。今後、新サイトの認知度があがっていく中で、どういった展開を図っていくのか興味があります。




化粧品業界
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