■業界ニュース

2006年11月29日

来月から中国での販売を再開するSK-II

P05中国で安全性に問題があるとの指摘により販売停止中のマックスファクター(神戸市)製化粧品「SK-II」シリーズ、12月初旬から中国での販売が再開されます。P&Gの中国現地法人の宝潔によると、販売再開当初は小売店を限定してスタートし、徐々に消費者の信用を勝ち得ていきたいとのこと。もともと10月には中国当局が「健康へのリスクは少ない」との声明を発表したため11月1日にも販売再開の予定だったのが、市場の反応が厳しいことから見送っていました。

9月14日に新華社が、「中国の品質管理当局がSK-IIの乳液やクリームなど9品目から化粧品では使用が禁じられているクロムとネオジムを検出した」と報じたことが発端となった今回の騒動、日本政府による食品の残留農薬に関する規制強化への対抗措置ではという見方から、当初は中国当局による日本製品への意図的な検査強化の現れのようにも思われましたが、次第に親会社の米P&Gの中国法人にも影響が及び、上海の同社事務所のドアが壊される事件も発生したとのこと。単純な日本製品への反発では終わらなかったようです。

さて、販売開始に向けて動き出した「SK-II」ですが、騒動以前の状態回復には時間がかかりそうです。SK-IIブランドの化粧品の安全性が中国で確認された後に、新民網が行ったネット調査では「もう買わない」と答えた人が全体の30%を超えており、それは既存「SK-II」ユーザーの中のみで見ると、約半数に達しています。(下図参照)

■SK−IIブランドの化粧品の販売が再開されたら、今後も購入するか N=159
P02

これには、販売停止中の店頭の状況も影響していると思われます。通常「SK-II」は専用のカウンターやコーナーで販売されていますが、販売停止中もカウンターやコーナーは店内にそのまま設置されており、商品だけが空という状態になっているところが多いようです。例えば、上海のセフォラでもSK-IIの空の専用什器が置かれており、什器中央に「お客様の利益を守るため、当店ではSK-IIの販売を停止しています」といった内容の張り紙がされています。(写真)

P01

これは非常に具合が悪く、日々、セフォラを訪れる客ひとりひとりに改めてSK-IIは有害だと印象づけているようなものです。販売再開に備え、販売スペースを確保しておく必要があるのもわかりますが、むしろ販売停止中はブランドが消費者の目に触れない方策をとった方が良かったのではないかと思います。

ただ、SK-IIといえば看板商品の化粧水をブランド誕生から25年以上の間、ほとんど仕様を変えず、ロイヤスカスタマーを維持する戦略をとっていることが特徴のひとつであるブランド。上記でふれたネット調査でも、他社へのスイッチ意向が既存「SK-II」ユーザーの約半数あった一方、逆に言えば「今後も買い続ける」と答えているかたいロイヤルカスタマーが約半数を占めているとも言え、この状況下におけるその比率はむしろ高いと言えます。よってそのかたい支持を維持するためにも、まずは、離れた顧客を追うよりもロイヤルカスタマーへのフォロー、サービスが販売再開における最優先事項となるのではないでしょうか。

<出所>
P&G中国「宝潔」ホームページ
Livedoor NEWS
その他、独自取材資料


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2006年11月18日

ヒロインメイク 星降る瞳で心をつかむ

化粧品業界化粧品の訴求には女性の感性に訴えかける情緒的な要素と、商品の品質を謳う機能的な要素の2つのバランスが求められます。一般的に高級化粧品になるほど、情緒的な部分の比率が高くなると言われていますが、低価格のセルフの市場でも、情緒的要素のマーケティングが成功のきっかけとなったケースはあります。

記憶に新しいところでは03年に発売された資生堂の「マジョリカ・マジョルカ」。「魔法のような即変身コスメ」というコンセプトに基づく情緒的ストーリーを、商品デザイン、パッケージ、販売台そして広告などに徹底して貫き、それに共感するターゲット層をとらえ大ヒットしました。そして最近、新たな成功例として注目されているのが、05年2月に発売された伊勢半の「ヒロインメイク」です。

化粧品業界「ヒロインメイク」といえば、ユーザーではない女性でもGMSやドラッグストアの化粧品売場で一度は目にした記憶があるでしょう。ヒット商品のロング&カールマスカラ ピンクの地色にまるで少女マンガから飛び出したような女の子の顔が大きく描かれ、「天まで届け!マスカラ」と大きくコピーが書かれたそのパッケージは、強烈と言っていいほどのインパクトがあります。

商品開発の過程で綿密な調査に基づく消費者の声を活用したそうですが、それでこのようなトゲのあるデサインやコピーを策定できたのはむしろ意外と言えます。

発売直後から関心を持った女性達のクチコミが@コスメに書き込まれはじめ、7点満点で6点近い高い評価をいきなり獲得します。その後、ユーザー層の拡大に合わせてクチコミが自然発生的に増加、結果、ヒロインメイクのロング&カールマスカラは2005年@コスメ ベストコスメ大賞を受賞します。

口コミの内容から見えるヒットの要因のポイントは、あえてターゲットを絞ってトゲのある世界観で勝負したことと、低価格ながら効果を実感できる商品力の2点だと思われます。

「思わずパケ買い!!」「ベルバラ的な外観に一瞬にして心を奪われての購入」「ずっと前、初めて見たとき一目惚れ♪ジャケや、宣伝文句(?)でさらに惚れ♪」「ヴィジュアルショック!!」など、なるほどこのパッケージの威力はすごいですが、こんなパッケージでは恥ずかしいという女性もいるはずです。ただそこで万人ウケを意識したらあの世界観は実現しなかったでしょう。

また一方で、「睫毛がバチコーンっと上を向きます」「1日中持続!」「パンダにならない」など、このマスカラはカール力やキープ力、そしてにじみにくさといった商品力の点でも高い評価を得ています。つまり冒頭の情緒的要素と機能的要素の両方が強いため、好循環でクチコミが増加、ユーザーの裾野拡大に繋がったと思われます。この点は、マジョリカ・マジョルカのヒット商品、オートマティックライナーのケースと非常によく似ています。

06年2月には、「落ちにくい」というマスカラのネガティブな口コミ評価に対応してリムーバーを発売、現在は、アイメイク6アイテムとベースメイク3アイテムのラインナップを展開。いずれも、パッケージはあのインパクトのある共通の世界観を表しています。マスカラのセルフ市場は、イミュのデジャヴュ ファイバ−ウィッグという不動の人気商品があり、また、もとよりメイベリンが強く、更にマックスファクター資生堂など制度品メーカーも攻勢をかけています。その競合ひしめく市場で上位にくい込んでいるヒロインメイク、強力な情緒的要素で既存の人気商品との差別化に成功した好例と言えます。

※06年10月 日経POS情報 マスカラカテゴリーの販売個数ランキングではヒロインメイクのロング&カールマスカラは、イミュ、メイベリン、マックスファクター、マジョリカ マジョルカの商品群に続いて8位にランクされています。


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2006年11月05日

ブランドイメージ流動化を図るエスティローダー

xmas毎年、この季節になるとデパートではだんだんとクリスマス用のデコレーションが始まってきます。特に化粧品はいち早く各社からクリスマスコフレや限定カラーが発売されるなど、先行して雰囲気を盛り上げています。その中にあって、例年、セットのボリュームの多さが話題になるエスティローダー。今年のセット、メークアップ コレクション2006(10/27発売)も期待通りの中身の多さで、早い勢いで完売したようです。

今年のセットは人気色のリップ301、303をはじめ、アイシャドウやパウダーもベーシックで使える色がほとんどで、かなりお得感が高かったよう。ただ付属のトレインケースは賛否両論、ポーチやブラシは不評のようですが、トータルでは満足という方が多かったのではないでしょうか。また今回は、オスカー女優のグウィネス・パルトロウを広告に起用した華々しいPR効果が特に新客取り込みに寄与しているかもしれません。

es3

エスティローダーの広告の女性といえば、ミューズとして長く同じ女性が努める印象がありますが、最近は主にエリザベス・ハーリーとキャロリン・マーフィーの露出が多く、2人のイメージが顧客には定着しているのではないでしょうか。

エスティローダーが広告にはじめてモデルを起用したのは1962年。同社が初めて大手広告代理店(AC&Rエージェンシー)を使ったキャンペーンに乗り出した頃からです。当時すでに競合他社は自社広告に多くのモデルを使っていましたが、エスティは1人の女性に自社商品を体現させることに決め、「エスティローダーの女性」のシンボルになるようなモデルを探します。これが同ブランド独特のミューズの制度の始まりであり、‘62年から20世紀末までに、エスティローダーは7人のモデルを起用し、彼女達のほとんどは少なくとも5年間は、ブランドを代表する顔、ミューズを努めています。

初期のミューズはフォーマルで正装したときのようなエレガンスがあったのが、消費者の意識や優先順位の変化に合わせて、もっとリラックスした美しさを持つ顔が主流になり、昔より社会的なステータスを感じさせない顔が選ばれるようになっているとのこと。そういう傾向からすると、グウィネス・パルトロウの起用は合っているように思います。一方で、最近は同時期に複数のモデルを平行して起用するようになってきており、その点でも初期の考え方から変化してきています。消費者の変化のスピードに合わせ、特定の顔に依存しないブランドイメージ作りを目指しているようです。

■エスティローダーの主な起用モデル
62年 Phyllis Connor
65年 Karen Harris
70年 Karen Graham
85年 Willow Bay
88年 Paulina Porizkova
95年 Elizabeth Hurley
01年 Carolyn Murphy
03年 Liya Kebede
05年 Gwyneth Paltrow
06年 Anja Rubik

<参考資料>
ザ・ブランド―世紀を越えた起業家たちのブランド戦略


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2006年10月16日

有楽町西武 「ビューティー館」 で差別化路線歩む

西武19月9日、全館リニューアルオープンした有楽町西武、オープン初日の来店客数は45,000人、売上も目標の2倍を記録したと報道されていましたが、その後の立ち上がりも好調で、全体の入店客数は改装前の約135%ということです。
以前は午後6時以降に1日の売上の6割を稼いでいたのが、ビューティー館ができたことにより午後3時、4時に来店するミセスの客層が増加、来店数で「ふたこぶ」的な動きが出てきているとのことです。

そのビューティー館とは、有楽町西武のB館が生まれ変わったビルで、地下2階がエステ、地下1階に自然派化粧品、1階はメイクアップ、2階にスキンケアなど、それぞれに特化した商品展開をしている世界初の美容特化型百貨店です。9月26日放送の「ガイアの夜明け」で紹介されましたが、各化粧品メーカーが独自に運営するブランドのコーナー以外に、西武の自主編集売場を設けているのが特徴で、そこでは41ブランド・480種類の品揃えを行い、ブランドの枠にとらわれない商品の提案を行っています。また、日本発上陸の南仏系香りのブランド、「テールドック」が出店されたことも目玉です。

番組で紹介された上記の点とは別に、ビューティー館において目を引く点が2点あります。

西武21つめは「リサージ」がコーナー展開していることです。「リサージ」は現カネボウ化粧品社長の知識賢治氏が育てたとされるカネボウの専門店専用ブランドで、百貨店への出店は初。もともとカネボウは、専門店チャネルや量販チャネルに比べて百貨店が弱いとされていましたが、「RMK」「SUQQU」の成功に続き、最近では「ルナソル」の存在感が増しつつあります。
そこへ専門店チャネルで実績のある「リサージ」を加えることで、カネボウグループとしての百貨店ブランドのポートフォリオに厚みが出るのは間違いありませんが、今後、仮に百貨店で本格展開してくとなると、専門店との住み分けをどうしていくのかが、課題になると思います。

2つめは、「インナーシグナル」のコーナーが入っていることです。「インナーシグナル」は肌細胞力の活性化をコンセプトとした大塚製薬のスキンケア化粧品です。大手製薬会社の化粧品分野へ本格参入が相次いでいますが、大塚製薬の「インナーシグナル」は、製薬会社が作る化粧品ブランドとしては百貨店チャネルに最も食い込んでいるブランドではないでしょうか。以前より出店している三越本店では1万円の美容液が月100個以上売れており、美容意識の高い顧客を着実に取りこんでいるようです。

そして、この10月10日(火)〜16日(月)の間、有楽町西武ファッション館1階 プロモーションスペースにて、「インナーシグナル」と同じく製薬会社の作るスキンケアの競合「オバジ」(ロート製薬)の2ブランドが並んでブースを構え、肌診断と販売を行うイベントを実施しました。

西武

百貨店入口のイベントスペースといえば、外資系高級ブランドのイベントというイメージがありますが、製薬会社のブランドが大々的に取り扱われることからも、有楽町西武の差別化路線が表れていると言えそうです。

ただ、同時にビューティー館の自主編集売場にも「オバジ」が置かれたことは、売場のコンセプトを中途半端にしています。ここは他の百貨店ではあまり置かれていない商品が揃っていることが魅力のひとつではあるはずですが、量販店で売られている「オバジ」が並ぶことで、西武としての個性が薄くなってしまった気がします。

<参考文献>
日経消費マイニング 2006.10


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2006年10月01日

長い低迷から抜け出した外資の雄 クリニーク

日本の百貨店化粧品市場において10年近くの間、売上減少が続いてきた「クリニーク」ですが、ここへきて復活のきざしが見えてきています。04年、05年と減少幅が小さくなり、06年に入ってからは横ばい状況からプラスに反転。国際商業によるデータを集計すると、全国の有力百貨店13店※の今年上半期の「クリニーク」の販売金額は、前年対比103%となっています。

化粧品業界「クリニーク」といえば、かつては常に百貨店の化粧品フロアで売上トップにあった輝かしい歴史がありますが、その誕生当時は決して順風満帆だったわけではないようです。

エスティローダーが米国で「クリニーク」を発表したのは、今から38年前の1968年。基幹ブランド「エスティローダー」のターゲットより若く、また自分の肌の状態に関心のある女性をターゲットとし、医学的に安全で、最先端の化粧品として売り出されました。販売員が白衣を着て、客の肌診断を行いスキンケアの方法を提案するスタイルは既に当時から始まっています。

「クリニーク」を独自のブランドとして育てるために、あえて知名度のある「エスティローダー」の売場とは離れた場所で展開したことあり、当初は売上が上がらず、「クリニーク」は数年にわたって損失を出し続けました。しかし同社は損失を被りながらも更に積極投資を続け、ブランド育成の努力を続けます。その結果、70年代半ばから売上が急増、80年代始めにはフォーブス誌が「クリニーク」を高級スキンケア化粧品市場の”walkaway winner”(楽勝プレーヤー)と賞賛、その後、同ブランドは全盛期を迎えることになります。

化粧品業界このように、粘り強い努力によって事業を成功させたわけですが、それができたのは同社が非公開の企業であり、短期の結果を求められる資本市場からの圧力が少なかったからだと経営陣は振り返っています。

そして、現在の日本において、過去約10年という長い低迷から抜け出してきた「クリニーク」ですが、その背景には次のような改革があったようです。

第一に、クリニークコンサルタント(BA)の評価を購買客数ではなく接客数で計ることに変更し、売上よりも、まずは1人でも多くの人にクリニークを知ってもらうことに重点を置いた接客を展開したこと。第二として、それまで商品写真のみだった広告ビジュアルに創業以降初めて女性モデルを起用、雑誌やリーフ、店頭VMDに大々的にビジュアル展開することで、エイジングしたブランドイメージの若返りを図ったこと。そして、第三に、販売員(BA)の制服を白を基調としながらも、従来の白衣とは異なる独自のスタイルに変えたこと。それにより顧客へ与える印象が和らぎました。

以上に加え、日々の販売努力など様々な要素があると思いますが、少なくともそれらの相乗効果により、クリニークのコーナーには賑わいが戻っており、スキンケアや美白ラインの売上の底上げに繋がっていると思われます。また昨年発売のマスカラは、その広告ビジュアルがやや度が過ぎている感もありましたが、商品力があり高い人気を維持しています。今後「クリニーク」が本格回復基調に乗っていくには、新しい世代の顧客をより多く獲得していくことが必要だと思います。

※文中の全国の有力百貨店13店:
新宿伊勢丹、梅田阪急、札幌大丸、新宿高島屋、新宿京王
日本橋三越、日本橋高島屋、銀座松屋、横浜高島屋、名古屋松坂屋、 京都大丸、大阪高島屋、心斎橋大丸、神戸大丸、福岡岩田屋

■クリニーク 06年7月 百貨店10店舗 売れ筋ランキング
クリニーク売れ筋

<出典・参考資料>
国際商業
ザ・ブランド―世紀を越えた起業家たちのブランド戦略
HBSケース


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2006年09月24日

コーセー 中国で百貨店への出店を加速

CH1このところ新聞等で日本の大手化粧品メーカーの中国における出店加速の記事が相次いで掲載されています。資生堂が専門店を今年末までに1,700店に増加させ、08年には売上で1,000億、シェア10%を目指すのをはじめ、カネボウ化粧品は、出店百貨店を09年までに現在の2.5倍の500店、高級薬局を同30倍の1,000店に増やし、売上を現在の10倍の200億にするとのこと。そして、コーセーも中国で百貨店への出店を加速しています。

NIKKEI NET 中国ビジネス特集によると、(以下引用要約)コーセーは中国での現在の百貨店の出店数120店を2007年までに200店に増やし、更に2008年には250店まで伸ばしたいとのこと。これまで主体だった現地生産ブランド「AVENIR(アブニール)」よりも最高級ブランド「ボーテ ド コーセー」の比率を増やしていく一方、上海や北京など沿岸部の高級百貨店だけではなく、地方の百貨店にも出店を進めていくとしています。

コーセーの中国事業全体の売り上げは約60億円。このうち問屋を経由する大衆向け商品の売り上げが全体の約55%、百貨店で直販する高級ブランドの売り上げが約45%であり、今後は百貨店の比率を引き上げていく計画。中国で高価格帯の市場が育ってくるなか、大衆化粧品で早くから地位を築いてきたコーセーは、高級品投入において少し出遅れた感があるとのこと。

ただ、欧米の外資系企業のように、大々的に広告を打つことはぜず、百貨店の美容部員と顧客とのコミュニケーションを地道に重ねて、商品を市場に根付かせていくことを基本としています。そのためにも美容部員の教育に重点を置いており、春から日本の美容統括責任者を中国に駐在させ、現在、800人の美容部員を教育しています。

CH3また、上海の伊勢丹に化粧品を試せるコーナー「ビューティーセンター」を6月末に開設。その場では化粧品を販売せず、商品に触れてもらう機会を提供しています。同時にその場で化粧品の使い方を指導するスタッフの養成も進めていきたいということ。

現在のところ、新たに中国向けに高級ブランドの製品を開発する考えはコストの面から考えておらず、今後は高級ブランドとして「ボーテ ド コーセー」を中核に据え、市場に押し出していきたいとしています。(以上引用)

「ボーテ ド コーセー」の知名度向上が目下の目標というところでしょうか。ただ「コスメ・デコルテ」ではなく「ボーテ ド コーセー」を最高級ブランドとして売り出していく戦略、、中国の消費者には「コスメ・デコルテ」では価格帯がまだ高いということなのかは分かりません。もしくは美容部員のレベルが上がってきた時点での投入を計画しているのかもしれません。

出典:NIKKEI NET 中国ビジネス特集 9/6
http://www.nikkei.co.jp/china/


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2006年09月12日

MISSHA (ミシャ) 加速する日本での店舗展開

当ブログ9月3日の記事にてMISSHA(ミシャ)のブランドイメージ再編についてふれましたが、ミシャは昨年ネット通販で初めて日本に進出し、今年7月にオープンした大阪直営店を含め、現在、仙台、名古屋に計10の店舗を運営しています。

仙台一エイブルC&Cは日本での直営第1号店のオープンを皮切りに、現地のエージェンシーを通すのではなく、子会社「MISSHA JAPAN」の主導のもとで市場攻略に乗り出し、年内に東京や九州にも計10の直営店をオープンする計画だとのこと。

仙台クリス 仙台と名古屋の店舗を見ると、ソウルの店舗と同じく赤と白のイメージカラーで外装、内装とも統一されています。そして、店舗の前には、ネイル190円、ヨーグルトパック220円など低価格をアピールする看板が置かれ、「安くてかわいいものがいっぱい」「試すだけでもOK、気軽に店内」と謳っています。


仙台の店舗はクリスロード店と一番町店の2店とも商店街のアーケード内にありますが、一番町店の方は広く外観も良いことから、MISSHA(ミシャ)のブランド発信店としていい効果があるのではないでしょうか。

名古屋センまた名古屋、栄の地下街セントラルパークの店舗は、同様に広さもあるうえ、地下街に人通りが多い名古屋の特性も手伝い、お客の店内への誘導が良いようです。一方、名古屋の矢場町店はパルコの裏通りにあり、美容院や洋服店の並びとはいえ、立地はあまり良いとはいえません。

名古屋矢場名古屋の老舗百貨店丸栄の3Fにも店舗があります。実は、この丸栄の2階、3階は近年様変わりし、渋谷の109(マルキュー)のような店舗展開になっています。そのためフロアの客層の中心はかなり年齢が若く、ややかたよった層に限定されています。そんな中、周囲を個性の強いテナントに囲まれながらも、ミシャの店舗はそれらに負けないインパクトを発しています。

名古屋丸 どの店も、ソウルの店に比べまだアイテム数が少ないことから、店内の陳列はやや整然としています。ただ、韓国で発売されているプレミアライン「M」が、チャンドンゴンのビジュアルによるPOPや、店内のテレビモニターに流れる韓国版テレビCMによりPRされており、11月頃には商品も日本に導入されるとのこと。今後は揃えも充実していくようです。

ところで、エイブルC&Cはミシャの花柄マーク使用をめぐって、日本のマリークワントコスメティックスジャパンが起こした商標権訴訟にこのほど敗訴したとのこと。ソウル南部地裁の判決によって、ミシャは該当商標の商品パッケージや広告などへの使用、商標を使用した商品の販売・譲渡、商標のインターネットサイト上の表示などが禁じられ、直営店などにある物品に表示された商標も廃棄しなければなりません。ミシャにとっては非常に厳しい内容ですが、両社の花柄マーク、言われてみれば確かに形は同じですね。

参考資料:Yahoo News




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2006年09月09日

クレ・ド・ポー・ボーテ  広告ビジュアルの贅沢な背景

資生堂の百貨店・プレステージブランド「クレ・ド・ポー・ボーテ」。流通チャネルを限定し、顧客の関係性を深める「顧客接点深耕ブランド」として位置づけられています。市場シェアより私情シェアを取る。つまり面としての市場をとっていくのではなく、ひとりのお客のマインドシェアをとっていくことを「クレ・ド・ポー・ボーテ」は重視。その蓄積により、結果的には幅広い年齢層から国産の最高級化粧品ブランドとして認知され、支持されています。

クレクレ・ド・ポー・ボーテの広告は、テレビなどマスより雑誌などを使う展開を行っていますが、最近出版された「ブランドのデザイン」によると、その広告のビジュアルには随分贅沢な仕掛けがあるようです。

「クレ・ド・ポー・ボーテ」の広告のビジュアル自体は、モデルの上半身を映し出したものがメインですが、資生堂事業企画部長の平田賢一氏によると、「広告で使うビジュアルは、セットではなく実際に世界中に赴いて撮影をし、その時代のインパクトや上質感を、リアリティをもって伝えるように心がけている」とのこと。撮影地はパリ、ニース、モロッコなどにおよび、更にシチュエーションや時間帯に徹底してこだわっているというのです。

しかし、実際のクレ・ド・ポー・ボーテの広告のビジュアルを見ても、モデルの背景には、パリ、ニースの街並みが写っているわけでも、海岸や夕日が写っているわけでもありません。「ブランドのデザイン」著者の川島氏も書いていますが、シーンの贅沢さが写真に表れていなくて、もったいない話しだと最初は思いました。

しかし、そういった設定にとことんこだわるのは、その時、その場所でしか撮れないモデルの表情があるからだということのようです。つまり贅沢な背景やシーンを直接見せるのではなく、そのシーンに影響を受けたモデルがかもし出す表情そのものから、贅沢で深みのある美を伝えたいというのが、クレ・ド・ポー・ボーテの広告ビジュアルの狙いなのです。最高級ブランドにふさわしい、まさに贅沢なこだわりと言えます。

平田氏によると「クレ・ド・ポー・ボーテ」はポイントメークアップのブランドとしては、おそらく世界で最も高額なブランド。海外は日本よりさらに階層化が進んでいる国も多いので、市場性は高い。今後は、欧米の高級ブランドに対抗するべく知名度を上げていくことが課題のようです。

参考資料:
「ブランドのデザイン」川島 蓉子


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2006年09月03日

MISSHA (ミシャ) ブランドイメージと売場イメージを再編

化粧品業界MISSHA(ミシャ)を展開する ABLE C&Cの発表によると、今年の第2四半期の売上は 254億ウォン、営業損失は 31億ウォンになったとのことです。売上は第1四半期から約 3.9%小幅減少した一方、営業損失は赤字幅が25億以上拡がっています。

赤字幅拡大についてABLE C&Cは、ミシャのプレミアムラインである「M」の韓国での発売開始による販促費用及び新しいモデル起用等にともなう広告宣伝費用の増加、また海外法人設立と現地事業のための初期投資費用の増加によって、全体的な販売管理費、営業外費用が上昇したためであるとしています。

■ミシャの02〜05年次決算と06年第1〜2四半期決算
化粧品業界

そのミシャは収益改善の一環として、イメージ向上のために下期に向けてブランドイメージ(BI)と売場イメージ(SI)の変化を図っているとのこと。早ければ9月中旬にテスト売場を立上げ、10月初めには新しいBIに符合する製品ラインを大々的に発売する予定。

ミシャは04年から、「Quality Base MISSHA」をキーメッセージとして、BoAウォン・ビンをはじめとする有名俳優やモデルを起用したテレビCMを韓国にて展開し、ただ価格が安いだけではない良質で楽しい化粧品というブランドイメージ(BI)の形成を図ってきました。日本におけるコンビニ化粧品より更に価格が安い化粧品ブランドにおいて、このようにテレビCMが作られ放映されていること自体、驚きなのですが、今年のミシャの新メイクアップライン「M」のテレビCMは、今までのブランドイメージから一歩踏み出した世界を演出しています。

韓流ビックスターのチャン・ドンゴンとBoAが出演する同CMは、あたかもミステリー映画のような映像になっており、鏡やグラスなどクラブのあちこちに残された'M'を手がかりに、BoA扮する'M'を追うチャン・ドンゴン編と、チャン・ドンゴンに追い回されながらも悠々と自分の跡 'M'を残していくBoA編の2本立てになっています。とりわけ、セクシーで都会的な女性になったBoAの変身ぶりは目を引くものがあり、ミシャのブランドイメージの変化に大きく寄与していると思います。

一方、売場イメージ(SI)の変化については、明洞(ミョンドン)の店ではこの新メイクアップライン「M」も並べられているとはいえ通常の陳列になっており、今後の変更の方向性は分かりません(下写真参照)。「M」の価格は、ファンデーション9,000〜11,000ウォン、リップ7,000ウォン、マスカラ7,500ウォンとそれまでのミシャの商品より高い価格設定になっています。とはいえ、日本のセルフ化粧品の感覚からすればまだまだ安い商品。

10月には、更に新しいラインが発売されるとうことなのかもしれませんが、新たなブランドイメージと売場イメージの符号に期待したいと思います。

※本文中にて紹介した「M」のCM、「スタイルは Mで始まる_BoA編」「スタイルは Mに記憶される_チャン・ドンゴン編」のMOVIEをABLE C&C韓国語サイトのPUBLIC RELATIONS内、ADVERTISINGページにて観ることができます。



■MISSHA 明洞店内 中央に「M」の商品ラインが見える (06年夏)
化粧品業界


参考資料:ABLE C&C 発表資料




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2006年08月30日

ポーラ 進む本格エステ併設店の拡充

PL5 訪販最大手のポーラ化粧品本舗は、女性の在宅率低下や化粧品販売チャネルの多様化に対応するべく店頭販売へのシフトを推進していますが、そのシンボル的業態「ポーラ・ザ・ビューティー」は100店舗を超え拡大中のようです。

※「ポーラ・ザ・ビューティー」は、化粧品物販、カウンセリングコーナー、エステサロンという3つのスペースで構成された店舗。

もともとポーラが営業所(訪販事務所)を誘客型のエステサロンへ転換していく構想は、02年に同社の「新創業中期経営計画」にて発表されていますが、その後、進捗が遅れていたようです。しかし、昨年より営業所の「ポーラ・ザ・ビューティー」への転換が進み始め、05年8月時点での16店から、約1年の間に107店(同社ホームページ上での掲載店数)まで増加、05年のポーラグループ決算においても「ポーラ・ザ・ビューティー」は売上20%増と業績向上に寄与したそうです。

「ポーラ・ザ・ビューティー」がエステをきっかけとして新規顧客を開拓していくには他のエステ業者との差別化が必要ですが、ポーラのエステは既存の大手エステとは一線を画すポジションを築きつつあるように思えます。そのキーワードは、価格、ブランド力、カウンセリング力、立地の4つです。

化粧品業界現在、ポーラのエステの魅力のひとつは価格の安さです。(トライアル2,205円or 3,150円) もちろん大手の他のエステ業者には更に安いメニューもありますが、ポーラブランドでありながらこの価格というのは値頃感があると言えます。

そのポーラブランドのロイヤリティーは、あくまで推測ですが訪販最大手としての歴史から来るものに加え、02年から4年間、継続してオンエアされたテレビCM、具体的にはポーラレディがお客をカウンセリングしたりエステをしたりするシーンを描いたテレビCMによって、ポーラの訪販とは無縁だった人々が持つポーラの企業イメージがかなり向上し、変わったであろうことが影響していると思われます。

また「ポーラ・ザ・ビューティー」へはエステだけが目的で来るお客さんも多いはずです。一般的にエステは商品をしつこく勧められる!というイメージがある中、施術後に、顧客にポーラの化粧品を買ってもらうのは最も販売員の技量が問われるところだと思います。そこでは、訪販にて培われたポーラレディのカウンセリングのノウハウ、つまり訪問宅で顧客の様々な相談にのったり、悩みを聞いたりして顧客と人間関係を築いてきた経験が大きな力になるのではないでしょうか。

最後に立地ですが「ポーラ・ザ・ビューティー」は、もともと事務所を店舗に転換しているため、都会の駅チカにお洒落な店舗を構える大手のエステとは違い、いわゆるちょっと外れた場所にあります。一見して集客上不利なようですが、ホームページや他媒体から予約客を誘導することは可能ですし、かえって地域密着型でいいかもしれません。

結論として「ポーラ・ザ・ビューティー」は、地域に根ざしたエステとして、値頃感のある価格でサービスを提供しながら、顧客としっかりとした人間関係を築いていく拠点として、独自のポジションを築いていけるのではないかと想像します。

参考資料:
日経産業新聞
宣伝会議


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【155号】P&G、ドルチェ&ガッバーナブランドの化粧品発売。 (英語新聞ウォールストリートジャーナル(WSJ)から見た起業・ビジネスのヒント)
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