2006年10月16日

有楽町西武 「ビューティー館」 で差別化路線歩む

西武19月9日、全館リニューアルオープンした有楽町西武、オープン初日の来店客数は45,000人、売上も目標の2倍を記録したと報道されていましたが、その後の立ち上がりも好調で、全体の入店客数は改装前の約135%ということです。
以前は午後6時以降に1日の売上の6割を稼いでいたのが、ビューティー館ができたことにより午後3時、4時に来店するミセスの客層が増加、来店数で「ふたこぶ」的な動きが出てきているとのことです。

そのビューティー館とは、有楽町西武のB館が生まれ変わったビルで、地下2階がエステ、地下1階に自然派化粧品、1階はメイクアップ、2階にスキンケアなど、それぞれに特化した商品展開をしている世界初の美容特化型百貨店です。9月26日放送の「ガイアの夜明け」で紹介されましたが、各化粧品メーカーが独自に運営するブランドのコーナー以外に、西武の自主編集売場を設けているのが特徴で、そこでは41ブランド・480種類の品揃えを行い、ブランドの枠にとらわれない商品の提案を行っています。また、日本発上陸の南仏系香りのブランド、「テールドック」が出店されたことも目玉です。

番組で紹介された上記の点とは別に、ビューティー館において目を引く点が2点あります。

西武21つめは「リサージ」がコーナー展開していることです。「リサージ」は現カネボウ化粧品社長の知識賢治氏が育てたとされるカネボウの専門店専用ブランドで、百貨店への出店は初。もともとカネボウは、専門店チャネルや量販チャネルに比べて百貨店が弱いとされていましたが、「RMK」「SUQQU」の成功に続き、最近では「ルナソル」の存在感が増しつつあります。
そこへ専門店チャネルで実績のある「リサージ」を加えることで、カネボウグループとしての百貨店ブランドのポートフォリオに厚みが出るのは間違いありませんが、今後、仮に百貨店で本格展開してくとなると、専門店との住み分けをどうしていくのかが、課題になると思います。

2つめは、「インナーシグナル」のコーナーが入っていることです。「インナーシグナル」は肌細胞力の活性化をコンセプトとした大塚製薬のスキンケア化粧品です。大手製薬会社の化粧品分野へ本格参入が相次いでいますが、大塚製薬の「インナーシグナル」は、製薬会社が作る化粧品ブランドとしては百貨店チャネルに最も食い込んでいるブランドではないでしょうか。以前より出店している三越本店では1万円の美容液が月100個以上売れており、美容意識の高い顧客を着実に取りこんでいるようです。

そして、この10月10日(火)〜16日(月)の間、有楽町西武ファッション館1階 プロモーションスペースにて、「インナーシグナル」と同じく製薬会社の作るスキンケアの競合「オバジ」(ロート製薬)の2ブランドが並んでブースを構え、肌診断と販売を行うイベントを実施しました。

西武

百貨店入口のイベントスペースといえば、外資系高級ブランドのイベントというイメージがありますが、製薬会社のブランドが大々的に取り扱われることからも、有楽町西武の差別化路線が表れていると言えそうです。

ただ、同時にビューティー館の自主編集売場にも「オバジ」が置かれたことは、売場のコンセプトを中途半端にしています。ここは他の百貨店ではあまり置かれていない商品が揃っていることが魅力のひとつではあるはずですが、量販店で売られている「オバジ」が並ぶことで、西武としての個性が薄くなってしまった気がします。

<参考文献>
日経消費マイニング 2006.10


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この記事へのコメント

1. Posted by yumi(銀座OL)   2006年10月19日 02:29
コメントありがとうございます♪
コスメのブログなので女性の方とばかり思っていたら男性の方なのですね!
確かに見る視点がちょっと違う感じします(^_^)
2. Posted by Storyteller   2006年10月29日 23:46
返答、遅くなってすみません。
こちらこそ、コメントありがとうございます。
そうなんです。
化粧品に関しては、自分用に使うことが少ないので、その点は明らかに女性の視点とは違っているかと思います。
ただ、女性をより美しくするメイクは純粋に素晴らしいと感じています。

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