2006年05月28日

急成長を成し遂げた通販化粧品企業

通販新聞によると、通販化粧品の市場規模は約2,700億円程度と推定されています。数字の上では同じ無店舗販売である訪問販売化粧品市場(約6,000億)の2分の1弱ですが、訪販化粧品市場が縮小する一方、通販化粧品市場は年々伸びてきています。

■化粧品を主たる生業とする通販企業の総売上高推移
通販01

この背景には、女性の在宅率の低下や一部の訪問販売業者へのイメージ悪化などが原因にありますが、この10年間における通販化粧品の著しい成長の要因にはインターネットの普及とコスメ雑誌の増加があります。インターネットやコスメ雑誌を使って消費者が情報を豊富に持つようになったことで、自分の判断で商品を選別するようになり、独りの時などに電話やネットで気軽に化粧品を注文するようになりました。

またDHCやファンケルなど大手通販化粧品会社がGMSや百貨店に実店舗を展開するようになったことで、販路が拡大されたのと同時に消費者の目にふれる機会がふえ、通販メーカーの認知度が上がってきたことも通販化粧品成長の原因と考えられます。

一方で、これは化粧品に限らず通信販売全体に言えることですが、コールセンターや物流業界における技術革新により少ロットでの迅速な出荷が可能になり、高度サービスレベルのフルフィルメント(受注、配送、決済、アフターサービズの一連のプロセス)が整備されたことが、消費者の支持を得るようになってきた点もあげられます。

通販化粧品市場の特徴のひとつにスキンケアの比率が高いことがあります。一般的に国内の化粧品市場全体におけるスキンケア化粧品の占める割合は大まかに言って5割弱となっていますが、通販化粧品市場の場合は、だいたい8割弱をスキンケアが占めていると言われています。つまりスキンケアは通販化粧品の主戦場であり、各社ともスキンケアを主力商品と位置づけています。(CCB-ジャポンはメイクアップが主力)

上のグラフは、化粧品を主たる生業とする通販企業の過去10年の総売上高推移ですが、DHC、ファンケル、オルビスの3社がこの間、著しい急成長を成し遂げ、非常に大きな売上規模を誇る企業になったのが分かります。この3社は化粧品に加え健康食品、インナーウェアと商品ラインを拡大している点、また販売チャネルにおいてもカタログ通販から店頭販売、インターネット販売へと展開している点で共通しています。

また、更にこの上位3社に共通しているのは、主戦場のスキンケアラインに明確な差別化要素があることです。それぞれを一言で表すとすればDHCは「オリーブバージンオイル」、ファンケルは「無添加化粧品」、そしてオルビスは「オイルフリー」です。これらの差別化要素は、それまでの既存の高級化粧品や制度品、セルフ化粧品では充足されなかった消費者のニーズを捉え、売上急成長の柱となっていきました。
(次号へ続く)

参考文献:
・通販新聞
・図解でスッキリ!化粧品業界 知りたいことがスグわかる


化粧品業界

トラックバックURL

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔   
 
 
 
Profile

Storyteller

Archives
Recent Comments