2006年04月15日

ランコムの躍進Vol.6:高い日本国内産比率

90年代後半の日本の百貨店化粧品売場では、大きく分けて5つの勢力がしのぎを削っていました。ひとつは、資生堂を中心とする国内勢。2つ目はエスティローダーグループ、3つ目はロレアルグループ、4つ目はジバンシー、ディオール等を擁するLVMHグループ。そして5つ目として上記グループには属さないシャネルやイブ・サンローランなど独立系人気ブランド群があります。(現在もこの勢力図に大きな変化はありません) その中にあってランコムはなぜ成功することができたのでしょうか。

R&D、生産
化粧品業界まずランコムの特徴として、外資系高級ブランドとしては日本国内産比率が高いことがあげられます。ロレアルは1963年、小林コーセー(現コーセー)との合弁事業で日本に進出した後、1983年に日本に研究所を開設、 96年には研究所を拡張しています。既に50%を日本国内で生産しており、更にランコムブランドのスキンケア化粧品に限定すれば95%が日本国内で生産されていると言われています。スキンケア化粧品の国内産比率が高いのは、メイクアップ化粧品と違って直接肌につけるものであるため、より日本人の好みが強く反映されるからです。

他の外資系メーカーも日本・アジア向けに美白ラインを発売していますが、基本は本国仕様の製品を輸入して日本で売るモデルが主流です。例えばエスティローダーグループも日本に研究所がありますが、当時、日米共同開発や日本限定発売の商品は美白ラインにほぼ限られており、ゲランは日本市場向け製品が3割弱、好調のシャネルでさえ2003年に日本でのR&D機能スタートを宣言したばかりです。

日本国内産比率が高いことは、ランコムに次のような優位性をもたらしたと考えられます。

・日本市場のニーズ、消費者の嗜好に合わせた商品開発を柔軟に進められる
・日本人のモニターによる、使用感のテストを日常的に実施できる
・安全性、機能効果、品質について日本の基準をベースに開発・生産ができる。

これらのメリットにより、ランコムは世界一うるさいと言われる日本の消費者の要求レベルに合わせた商品開発を行うことが可能であったと言えるでしょう。98年、ランコムは日本女性がメイクをする際に目元で”遊びたい”というニーズが増加してきていることに着目、下向きでコシのある日本女性のまつげに映えるマスカラ「エクステンシル」を開発します。この商品は99年だけで25万本を売上げベストセラーとなりました。

<出所>
外資の「企業戦略」がわかる本/三田村蕗子
化粧品業界知りたいことがスグわかる!!/三田村蕗子


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