2006年03月26日

花王・カネボウ統合Vol.5:カネボウの化粧品事業参入

カネボウの化粧品事業への本格的参入は、1961年鐘淵化学工業より、化粧品事業の営業権譲渡を受けたときから始まります。翌年には化粧品事業部が発足、'63年には14の販売会社を一気に49販社に増設させ、全国にカネボウ全額出資の販売会社組織を確立しました。同年、基礎化粧品「レーヌ」を発売、フランスより技術者を招へいして「パリ研究所」を開設しています。

化粧品業界販売会社増設のため、カネボウは40〜50才の元工場長クラス、または人事労務部門の部長クラスの人を支配人(販売会社社長)として、各県に1人ずつ派遣します。現地に赴いた彼らは、各県に販社を作るべく従業員の募集から事務所の確保、小売店回りなど全て1人で行いながら、販社作りを軌道に乗せるために必死に頑張ったと言われています。

また、当時はまだ本業の繊維が作ればだまって売れていた時代でしたので、カネボウ本社は生産志向が強く、化粧品は主流事業ではないという事から化粧品事業に対する社内の他部門からの強力体制が充分ではなかったようです。

それでも、化粧品は飛躍的に売上を伸ばしていきます。発足当時年間12億円程度だったものが、'63年には107億、'65年に145億へと拡大しています。この当時、カネボウ本社は化粧品が末端で順調に売れていると思い込んでいました。ところが実態は末端では売れておらず、デッドストックが販社に山積みされている状態でした。在庫過多になった販社はのきなみ大幅な赤字を示し、銀行借入によってそれをしのいでいる状態でした。

このような化粧品事業の実態解明が進むと、社内や取引銀行から化粧品撤退論が大きくなってきます。しかし、化粧品市場は将来伸びるという判断のもとに、カネボウ本社は化粧品事業の継続を決断、'66年に化粧品事業の改革を断行することになります。

出所:KBSケース「鐘紡株式会社-多角化事業-」



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