2006年01月01日

花王・カネボウ統合Vol.3:花王の化粧品事業参入

前号でカネボウの沿革について触れましたが、一方の花王はどうでしょうか。 花王は22期連続経常増益を続けており(03年の統合発表時)、トイレタリーでは国内で圧倒的な強さを誇っています。化粧品事業は現在全売上の約8%を占めるまで成長、化粧品の国内出荷額シェアは資生堂、カネボウ、コーセーに続く4位につけています。

花王といえば徹底したコスト管理で定評のある堅実経営、そして他社が真似できないような地道で細かなマーケティングというイメージが強いですが、その化粧品事業への参入はいかなるものであったのでしょうか。実は、花王は過去にも化粧品会社を買収しようと試みています。

化粧品業界 花王が「ソフィーナ」で化粧品部門に参入したのは1982年。ソフィーナ以前にもドイツのバイヤスドルフ社との提携によりスキンケア化粧品ニベアを発売していましたが、価格が安く点数も少なく大きな取り組みとは言えませんでした。そこで、化粧品市場へ本格的に参入すべく79年に花王は米消費財巨人コルゲート・パーモリーブ社から高級化粧品ブランドのヘレナ・ルビンスタインを買収しようとします。

ヘレナ・ルビンスタインは今から一世紀以上前に、同名の女性企業家が米国で立ち上げた化粧品会社です。同世代の女性企業家に同じく化粧品のエリザベス・アーデンがいますが、美容院の開設から始まった彼女のビジネスは長い間、成長を続けます。50年代〜60年代にはエリザベス・アーデンと共に抜群の知名度を誇り、米国で新たに形成されつつあった高級化粧品市場でも強いブランド力を発揮していました。しかし66年の創業者ヘレナ・ルビンスタインの死去を堺に、経営が迷走を始め、マーケティング戦略が定まらなくなります。いわゆるカリスマ指導者を失った結果と言えますが、結局ヘレナ・ルビンスタインは、73年にコルゲート社に買収されます。

新しい経営者のもとで、ヘレナ・ルビンスタインは大衆市場に注力するようになりましたが、売上不振からコルゲート社はヘレナの売却を示唆。そこに花王が飛びついたかっこうになったのですが、この買収交渉はなぜか最終段階で決裂してしまいました。(現在ヘレナ・ルビンスタインは仏ロレアルグループの傘下にあります)

ヘレナ・ルビンスタインの買収に失敗した花王は、いよいよ自社ブランドで化粧品市場に参入しようと「ソフィーナ」を立上げます。しかし、当時の花王は既に大企業でしたが、あくまでトイレタリーのメーカー。洗剤や石鹸の会社というイメージが定着している花王に、女性をきれいにするという夢を売る商売ができるはずがないと、迎え撃つ業界はいっせいに批判を浴びせました。

続く


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化粧品業界


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1. 花王株式会社は体脂肪が気になる方でなくても清潔で美しくすこやかな毎日をめざして おせわになっています!  [ 日用品雑貨化粧品業界(プラネット参加メーカー)の総合情報満載ブログ ]   2006年09月09日 13:43
花王株式会社は月のマークでおなじみです。 花王の『清潔で 美しく すこやかな毎日をめざして』のキャッチフレーズも有名です。 国産ブランドで初めての高品質な化粧石鹸を1890年(明治23年)に発売してから、花王は「お客様本位」を基本姿勢として、事業を行ってきました....

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